Chicago Booth "STEM" MBA

この度、Chicago BoothのMBA degreeがSTEM認定されることとなりました。今までは、特定のConcentrationsを満たした場合のみSTEM Extensionが認められていたのですが、degree全体に拡大されたことになります。

これは、日本人を含め、卒業後アメリカでの就職を目指すInternational Studentsにとって非常に嬉しいニュースです。

参考までに、過去のBlog記事を抜粋いたします。

MBAを受験される方の中には、卒業後にアメリカでの就職をお考えの方もいらっしゃるかと思います。 アメリカで就職する場合には、卒業後にOPT(Optional Practical Training: プログラムと関連する職種で就業を行なう制度)を利用して就労を開始するのが一般的です。 このOPTは通常12か月間の期間が設定されています。これに加えて、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)関連の学位を取得した学生については、24か月間のOPT期間の延長(合計36か月間)が認められます(STEM Extension)。

MBAは通常STEM Extensionの対象となりませんが、近年、MBAプログラムにおけるSTEM関連の授業の増加を受け、学校によって一定の条件を満たした場合にMBAでもSTEM Extensionが認められる動きがあります。

MBAでのOPTビザSTEM Extensionについて(September 10, 2019)”より

アナウンスの詳細については、こちらのAdmissions Blogをご覧ください。

(* 米国のビザ制度の詳細や個別の事例については、専門家にお問い合わせください)

【寄稿】VC視点でのMBAの価値とBoothのユニークネス

皆さん、こんにちは。Class of 2021のT.Kです。

今回は、Class of 2019で、現在VCとして働かれている原田さんより、記事を寄稿頂きました。MBAで得られた経験、その中で感じられたこと、またBoothについて、などなど、非常に盛りだくさんな内容です。

ぜひ、ご覧ください。


MBA卒業からもうすぐ一年が経ちますが、実務に戻り転職してVCとして働く中でMBAの価値を実感することが多々あります。VC実務の視点から、MBA前後の自分の変化、実務で感じるMBAの価値、そしてChicago Boothのユニークネスについて、まとめてみたいと思います。

MBAを目指したきっかけと、前後の変化

学生時代からVCキャリアには漠然とした憧れがありましたが、新卒で外資コンサルに入社した後は目の前の仕事にかまけてキャリアの具体イメージや目標が深まっておらず、MBAの2年間をつかってキャリアについて考えを深めたいと考えていました。実際に、学校や活動が始まるとキャリアに対する考えを深める機会はもちろん、スタートアップやVCのメンバーとして働く機会など、期待以上の成長の機会に出会いました。VCキャリアが一気に実現味を帯びたとともに、自分がVCとしてどのように成功したいかのイメージが湧き、ネットワーク・スキル両面でVCとして働くための基盤を築くことができました。

私にとってのMBAの価値

VCは本来ローカル市場で会社に投資しその成長を支援する仕事であり、留学前に自分のキャリアとしてイメージしていたのも日本国内を中心に活動するVCでした。一方でMBA中に関わったVCは、投資スコープや評価の視点をローカルに限定せず、グローバル視点で最良の探索、評価、投資をしており、VCの働き方について考えを深める機会になり、自分自身もグローバルスケールでイノベーションを生み出すシーンにVCとして携わりたいという目標になりました。働く場所に関わらず、世界の投資コミュニティにも認識される投資をしたいと感じるようになったのは大きな変化だと感じています。

行動レベルで大きいのは、事業評価において日本市場を客観的に見ることが自然に行えるようになったことだと思います。MBAで日本を外側から見る経験を通して、市場環境を一つの変数として捉え、この事業がグローバルで勝てるか?と考える癖がつきました。また、MBA生活や現地企業で仕事をする経験を通じて、コミュニケーションのスタイル・お作法などもブラッシュアップされ、アメリカ人や多様な国籍・バックグラウンドの人達と働くことが自然になりました。結果として、自分から積極的に海外との接点を増やして仕事を作ることや、グローバルのネットワークを活用して国際的に仕事をすることが自分のなかでも自然動作になりました。

仕事をする中ではMBAを通して知り合った人たちとのネットワークにも支えられています。MBAを通して繋がりを持つことができたヘルスケア・VC業界のリーダーたちとは、卒業後日本のVCで働く中でも接点があり、情報収集や投資案件を探す際にMBA時代にできたネットワークから紹介を受けたり、逆に紹介したりすることもあります。VCは協業先を探す際にも、個人個人のネットワーク・ブランドが必要になるため、MBAを通して国外の強いネットワークにアクセスできるのは大きな価値として感じています。

より実務的な面では授業で学んだ知識が思った以上に活躍しているという実感もあります。基礎レベルではそれまで実務経験がなかった会計財務分野を一通り学べたため、投資先やVCファンドそのものを会計的・財務的に分析する際に勉強内容がダイレクトに役立っています。また応用レベルの学びとしては、VCファンドのポートフォリオのリターン構成やLPタームのあり方など、各VCによって考え方・哲学が異なり、かつパートナー級しか知らない(かつネット等にも殆ど情報がない)知識を得られるのも実効的かつ貴重な学びだと思います。

上記を少し抽象化・一般化してみると、MBAを通してグローバルでのキャリア意識が生まれ、自分からProactiveにキャリアを築き上げる準備ができたという変化があったのだと思います。VCをキャリア目標としていたため上記をVC目線で感じることになった訳ですが、別のキャリアを目指していたらそのキャリアに合った形で、しかし抽象的なレベルでは、やっぱり同じことを感じ学んだのではないかとも思います。とするとMBAの価値の極論的な一面としては、日本の枠を超えて成長したいというミッションに答えてくれるプログラムということなのかもしれません。

Chicago Boothのユニークネス

MBAはどの学校でも基礎科目の構成はほぼ同じですが、授業の教え方や教授の質、卒業生ネットワーク、また各産業との接点には学校による強み弱みがあります。Chicago BoothはFinanceに強みがあるため、VC関連でユニークな機会の恩恵を受けることができました。

授業面では、PE Financeを教える教授は、現在のFinance理論を作り上げ、かつ現産業リーダーを育ててきた実績を持つ人たちで、ゲストスピーカーにも業界リーダーを連れてくることができます。VCの世界では、例えば投資評価の方法ひとつとっても、様々な流儀が存在しており業界としての絶対解が存在しないため、業界リーダーにハイスタンダードな手法を教えてもらえるのは、即戦力な価値です。

産業との接点という意味では、Boothの場合シカゴ市内で唯一のトップMBAスクールであるため、シカゴ内の目ぼしい企業はたいてい強いパイプがあります。就職倍率が高くコミュニティの中に入らないとネットワーキングすら出来ないVC/PE分野では、学校と企業のパイプが太いのは、インターンの機会を見つける上で非常に大きなメリットです。また、上記とも重複しますがVC/PEセクターで活躍するアラムナイが多くアクセスが容易である点も大きな強みです。授業や学校のイベント、またインターンを通して、業界の大物と知り合いになれる機会はBoothのユニークネスだと思います。

上記のように多様なリソースがあっても、時間がなければリソースを活用することはできません。ユニークなプログラムを存分に活用できるように、カリキュラム設計にも圧倒的なフレキシビリティがある点も、ユニークネスの一部の重要な点です。

少し違った視点では、トップスクールとしてのプレミアも、現地でPrivate sectorで就職を目指したり、仕事をしたりする上では無視できない要素になると思います。現地のVC/PE就職は一般的に非常に熾烈で競争倍率が高くトップスクールのMBAが最低要件になることも少なくありません。また、現地コミュニティと仕事上の接点を持つ際には、トップスクールのプレミアが個人としての信頼を与えてくれる場面も多々存在します。

総括

Chicago BoothもそうですがMBAには様々なチャレンジの機会が溢れており、世界屈指の教授から教科書の裏側を学ぶ、新事業を起こす、アメリカの第一線で活躍する企業で経験を積む、卒業後も続いていく人脈を形成する、など様々な活動が可能で、この中でどのような活動、経験をしていくかは、個人個人の自由選択になり、価値として認識する部分も少しずつ違ってきます。

このように三者三様のMBA生活・価値ですが、どのような学びをしても、将来のキャリアにポジティブなインパクトがあるのは間違いないと思います。日本からアメリカにMBA留学する人の数は近年減少傾向ですが、MBAを活用してキャリアップされる日本人が増えることを願っています。


いかがでしたでしょうか。

より詳しい情報は、原田さんのnoteがございますので、ぜひそちらもご覧ください。

Research Assistantship at The University of Chicago Medicine

Class of 2021のH.Iです。

年末にManagement Consulting Group (MCG)の活動についてご紹介致しましたが、今回はヘルスケア領域でのユニークなオポチュニティとして、The University of Chicago Medicineにおけるインターンシップについてご紹介します。このプログラムはGPHAP(Graduate Program in Health Administration and Policy)(https://www.ssa.uchicago.edu/gphap)というプログラムに含まれているのですが、こちらについては2018年11月22日にClass of 2020のRKさんが紹介しておりますので、ご参照ください。

プログラム概要

GPHAPに所属する学生 (Boothの他、Harris School of Public Policy、Law School、Pritzker School of Medicine、School of Social Service Administrationの学生で構成される)が、座学や学生同士でのグループワークに留まらずに現場を経験する機会を得るためのプログラムです。シカゴ大学メディカルセンター内の部署に所属してのインターンシップや、メディカルスクール教授のアシスタント等を担当します。また、大学内での就業としての扱いになるため、例外的にビザの規制に関係なく1年目の比較的早い段階からお給料もいただくことができます (もちろん学びがメインなので、一般企業のインターンの様な手当ではありません)。全部で15程度の部署からの募集があり (各部署1人)、11月頃に面接をして採用されると、主に冬の間合計100時間就業することとなります。

実際の経験

私はOperational Excellenceという病院内のオペレーション改善に携わるチームに所属してインターンシップを行なっています。ここではKaizen Eventという(トヨタの”カイゼン”を取り入れています)1週間単位で特定の課題へのアプローチ法を探るプロジェクトを企画、準備、実行することで日々病院運営の効率化に貢献しています。プロジェクトは実際に現場に携わる方々 (医師や看護師、技師等の医療職、受付や患者サポートのスタッフ)を集め10-15人程度のチームで取り組みます。具体的な流れとしては、まず現場の業務フロー及び改善の余地があるポイントを皆で徹底的に洗い出し、実際に現場へ行ってインタビューを行ったりトラブルに巻き込まれてしまった患者さんと電話会議を行ったりして方向性を見定め、最後に新しいスタンダードを作成して発表します。私は今まで3つのプロジェクトに参加したのですが、具体的には「小児科、婦人科における血液等検体採取→結果報告までのフロー改善」「大腸摘出術後の再入院率改善」「患者からの問い合わせへの対応フローの改善」といったものでした。このインターンシップは、一人で何か作業を進めていくというよりは、プロジェクトの一員として常に参加する、という形式でしたが、その辺りは採用先によって色々と異なると思います。

総括

書いている自分でも思うのですが、おそらく一般的なMBAにおける体験のイメージとだいぶ異なるのがこのインターンシップです。これ自体は恐らくヘルスケア業界に強い興味がある方でなければ応募することはないかと思いますが、Boothのフレキシビリティや多様なオポチュニティを示す良い例だと思っております。

最後に、なぜBoothだからこそこの経験ができたのか?ということについて2点ほど挙げさせてください。一つ目は、総合大学のMBAとして、他の機関との連携が強いからこそ得られる機会だということです。より大きな組織(大学やそれに近い高等教育機関等)の中の一つとしてビジネススクールが位置付けられているところは多いですが、全ての学校において現実的な連携があるわけではありません。Boothでは他大学院での授業が取れるだけに留まらず、上記の様な様々な実践的機会に恵まれています。二つ目は、徹底してフレキシブルなカリキュラムがあるからこそ、学業との両立が可能ということです。今回私は、日中のインターンにできるだけ多く参加できる様にWinter Quarterは夜間の授業を中心に選択しました。インターン+夜間の授業となると朝8時-夜9時まで常にインターンor授業となるのでかなり辛い思いもしましたが、その分しっかりとリターンを得られたと思っています。1年生の授業はスケジュールが固定されている学校も少なくないと思いますが、Boothがそうだった場合、このインターンには十分な参加ができなかったかな、と思います。

今回の記事ではプログラムの概要に留め、日本の病院での経験との類似点/相違点など色々感じたことはあまり言及しませんでしたが、もしご興味を持たれた方がいらっしゃればいつでもご連絡ください!皆様の受験校リサーチに少しでも貢献できることを願っております。

Boothでのクラブ活動:Investment Management Group編 (その2)

皆さん、こんにちは!Class of 2021のKYです。

早くも1月が終わり、サマーインターンシップのための就職活動も一段落したこともあり、そろそろずっと放置していた(苦笑)昨年11月下旬に参加したボストンで開催されたMBA Women In Investing (WIN) Conference(以下、WIN Conference)について書きたいと思います。2ndラウンド出願の皆さんはまだインタビューの準備などで大変かもしれませんが、最後までがんばってくだいね!キャンパスビジットやメールでインタビュー対策等のご相談に乗ることも可能なのでよろしければ是非ご活用ください。皆さんの大学合格の一助になれること、そして皆さんが念願の大学(願わくばBooth)に合格されることを心より願っています。

さて、前回Professional系クラブのInvestment Management(IM)Groupの記事をアップしましたが、この会合はそのクラブを通じて参加した10月のChicago Booth Investment Competition(以下、CBIC)の後に、クラブのCo-Chairs(クラブの役員)によって選抜されて参加してきました。当クラブの女性メンバーは大変少ないため、私が参加しないと最小参加人数の3名に達しないことが選抜された主な理由です^^; 女性の社会進出が進んでいる米国でさえもIM業界における女性のプレゼンスは低く、現在IM業界で働いている女性の割合は全体の10%以下と少ないのが実情です。今後BoothのIMGの女性メンバーが増えることを願っています。ちなみにCo-Chairsには女性メンバーが2名いますが、二人とも異様に優秀な人達です。

2日間に亘って行われたWIN Conferenceは他のストックピッチの大会とは異なり就職活動色が強く、WIN Conferenceのスポンサー企業とのネットワーキングに主眼が置かれています。要は「1月に本格化するサマーインターンシップに向けた大手企業によるpotential candidatesの早期囲い込みの場」といったところでしょうか。このため、この会合では事前にレジュメのスクリーニングがあり、企業の目に留まった生徒は面接や各社主催のネットワーキングイベントに個別に招待され、参加企業の説明会や全体でのネットワーキングイベント、IM業界の様々なトピックに関するパネルディスカッション、(スポンサー企業による採点付き)ストックピッチのショーケースなど2日間の間にこれでもか!というほど企業とネットワーキングする機会が盛り込まれております。早朝から夜遅くまで休憩が殆どなくぎっしりとスケジュールが組まれており、食事もスポンサー企業によるパネルディスカッションを聞きながら取るため、さすがに2日目の朝食時には学生達は心なしかげんなりしていました(苦笑)。

ただ、WIN Conferenceには欧米のトップスクールしか参加できないようで、またスポンサー企業もIM業界のビッグネームばかりということもあり、この会合に参加できるのはBoothに入る一つの利点かもしれません。また、普段会うことができない他校のIM業界を目指している学生達と交流できる貴重な場でもあります。周りの学生達のプロフィールを聞いていると、皆前職はIMやプライベート・エクイティ、クレジットアナリスト、トレーダーなど金融業に従事しており、とても意識が高い人達が多かったのが印象的でした。人種をみると、比較的中国人や白人、インド系が多く、日本人は私だけで他のアジア人が少しみられましたが、韓国人はいないようでした。この会合に参加した学生の45%は後にIM業界に就職しているとのことで、米国でも女性の割合が10%以下であることを鑑みると、如何にこの数字が驚異的であるかがお分かりになるかと思います(実際、この数字がアナウンスされた際には会場ではかなりどよめきが起こっていました)。このため、WIN ConferenceはIM業界を目指す女学生にとっては登竜門的な位置づけにあるといっても過言ではないかもしれません。(後述するストックピッチの準備がすごく大変だったけど)このような会合に大学のお金で無料(飛行機代、タクシー代、宿泊費を全てBoothが負担)で参加させていただいたことに感謝しております。

 
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以下、WIN Conferenceの各催しについてご説明したいと思います。

個別企業との面接 (1日目 9:00 a.m. – 1:00 p.m.)

事前に参加企業各社によるレジュメのスクリーニングをパスした学生はWIN Conferenceが始まる前に会場のヒルトンホテルから離れたオフィス街にて面接を行います。各社一人につき30分の面接時間を設けており、面接は実際1月のインターンシップの面接で行われる内容と同じで、職務経歴、MBA取得の目的、IM業界の志望理由、ストックピッチとfollow-up質問、行動面接で主に構成されており、大半の時間はfollow-up質問に費やされました。ただ、大変残念なことは最後のQ&Aの際に「御社は留学生の就労ビザのスポンサーをして下さるのですか」と聞いたところ、「あれ、あなた就労ビザ必要なの?当社は恐らくスポンサーしないわ」と言われ、案の定同社はビッグネームなのにスポンサーしないことが後に発覚し、サマーインターンシップには応募できませんでした(泣)。留学生にとって米国のIM業界で就職するのは就労ビザの問題から大変難しく、Boothに求人を出している9割以上のIM企業は応募要項に米国で働けることを求めています。面接のために夜寝ないでストックピッチを完成させて朝6時の便に乗ってボストンに来て、マイナス3度の中オフィス街をさ迷いながら面接に臨みましたが、これも今振り返ればよい思い出です(苦笑)。

スピードネットワーキングセッション(2:00 p.m. – 5:04 p.m.)

名前の通り15分間という短い間にスポンサー企業と各テーブル10名くらいの学生とネットワーキングセッションが行われます。この15分の短い時間の間に、企業説明を受けて質疑応答が行われます。驚いたのは他の学生の意識の高さです。「私ちゃんと企業リサーチしてきました!」といわんばかりの質の高い質問がバンバン飛び交い、学生達は企業への自己アピールの場として考えているようでした。テーブルの上に積まれた名刺が奪い合われ、学生達の質問を感心しながら聞いている中、3日間ほぼ寝ていなかったためか当方はどうやら途中で寝落ちしていたようで、この時の記憶が半分くらいしかないです(苦笑)。もっとも、記憶がある時にはこの記事のために現状調査をしなければ!と思い、各社にサマーインターンシップを通常何名程度毎年取るのか質問したところ、どの企業も2~3名程度しか取らないようで(複数オフィスがある企業は各オフィスでその人数を取るイメージ)、アメリカの学生とも争わないといけないことを考えると、改めてIM業界でのインターンシップ獲得の難しさを実感しました。同席した他校の中国人の2年生は「この隣にいる子はすごく優秀なのにまだ就職先が決まってないの。おかしいわ!」と嘆いていました…。

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ネットワーキングセッションレセプション(5:15 p.m. – 6:30 p.m.)

夕食の用意ができるまでの時間も無駄にしませんといわんばかりに今度は全体でのネットワーキングセッションが行われました。ヒルトンホテルで主催されているせいかオシャレめな空間でお酒やアペタイザーを楽しみながら皆ネットワーキングをしていました。

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ディナー/パネルディスカッション(6:30 p.m. – 8:30 p.m.)

ディナーでは企業と学生が一緒のテーブルに座り、1時間程度雑談した後にプラチナムスポンサーによるパネルディスカッションがありました。ただ、極度の寝不足と疲労により途中で寝落ちしてしまったためこの時の記憶が殆どなく(苦笑)、このままでは夜10時から行う予定の明日のストックピッチの練習(この時点では各人の割り当てを決めたたけで全体練習を一回もしていないひどい状況)に間に合わないため、途中で抜け出して仮眠することにしました。

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個別企業主催のネットワーキングレセプション(8:30 p.m. – 10:00 p.m.)

参加する予定でしたが、事情を説明し残念ながらキャンセル。この一時間半の睡眠でなんとか少し生き返る。

朝食/パネルディスカッション(2日目 7:00 a.m. – 8:00 a.m.)

夜10時から深夜まで全体で練習した際に自分のパートが長すぎて制限時間の10分間に収まらないことに気づいたが(確かに今思えばappendixを除き計18枚のスライドは明らかに多すぎ)、パワーポイントの事前提出が求められていたためスライドを削除することもできず、夜な夜な早口の練習をし続け再び睡眠不足に。朝7時という異様に早い朝食とプラチナムスポンサーのややアグレッシブなお姉さま方(Q&Aの際に名前を言い忘れた学生は結構本気で怒られていた)によるパネルディスカッションにふらふらになりながら参加しました。

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ストックピッチショーケース(8:00 a.m. – 9:25 a.m.)

WIN Conferenceのメインイベント。3つの会場に分かれて同時並行で行われます。明らかに大学のランキング順に分けられており、トップファームは我々Boothチームが含まれる会場に集中し、審査員としてストックピッチの評価を行い、後に詳細なフィードバックをくださいました。他校のストックピッチを見ていましたが、Whartonの中国の美人3人組によるストックピッチが特に素晴らしかったです。ただ、我々もBoothの名に恥じないようなピッチが出来たかなと思っています。Q&Aの際には企業からたくさんの質問がありましたが、どれも自分としてはちゃんと回答が出来たと思っており、むしろCBICの際の質問の方が難しかったと感じました。改めてBoothのIMGのCo-Chairs(CBICの大会では彼らとKelloggのCo-ChairsおよびIM業界で働く卒業生が審査員役)のレベルの高さを実感しました。ストックピッチではかなりの早口により無事制限時間内に終えられたこと、質疑応答の準備が出来ていなかった割にちゃんと質問に答えられたこと、そしてピッチ後複数の方から嬉しいお言葉を頂いたことから、久しぶりに何とも言えない高揚感に包まれました。

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その後、審査員7名から評価シートをいただき、自分のチームのストックピッチの具体的な評価をみることができました。下図の通り、よくできたなと思っていた質疑応答(4.Q&A Quality)は審査員によっては満点だと感じた人もいれば平均以下だと思った人もおり、改めて主観的な見方って怖いなとつくづく思いました(苦笑)。しかし、このように業界の最前線で活躍されているプロによる評価をいただける機会は他にはないので大変ありがたかったです。ちなみに1.Overall Quality(ピッチ全体の質)は平均3.9だったので、悪くなかったと個人的には思っています!

企業①による採点

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企業②による採点

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パネルディスカッション(10:05 a.m. – 12:25 p.m.)

ストックピッチ後は二つの会場に分かれて45分×3回のパネルディスカッションが行われました。一つ目と二つ目のパネルディスカッションは「how I generate Investment Ideas(どのように私は投資のアイディアを生み出しているのか)」、「how to Interview management(どのように投資対象企業のマネージャー達と<分析の際に必要となる情報収集のための>面談を行うのか」という共通トピックについて、スポンサー企業が2グループに分かれて行いました。自身を含め多くの学生達はやはりビッグネームが揃っている方のディスカッションに参加しました^^; 最後のパネルディスカッションは「Investment strategy(投資戦略)」について、米国・インターナショナルのマーケット毎に分かれていたため、インターナショナルの投資戦略の方に参加しました。折角なのでパネリスト達に日本市場をどうみているのか質問してみたところ、やはり日本企業はキャッシュを溜め込みすぎているなど非効率な経営を行っている点が指摘されました。他方、安倍政権により企業のROE向上に取り組もうという機運が高まってきた点や、女性の就業率が上昇している点(足もとでは米国よりも速いペースにあるとのこと!)を評価する声も聞かれました。パネルディスカッション後は閉会式までランチを挟んだプラチナムスポンサーによるパネルディスカッションと、最後のスピードネットワーキングセッションが行われました。

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こうして長い長い二日間が終わり、振り返ってみると初めからトラブル続きで(リーダーシップを握るといっていたメンバーに任せていたら、提出期限3日前になっても全く何もできておらず、そこから心を無にしてひたすら淡々とスライドを作成する日々)、文化や物事に取り組む姿勢が異なる人達と共に何かを成し遂げるというのは大変だなと心底思ましたが、最後の方ではチームワークを発揮することができ、皆でいいアイディアを出し合えたからこそ満足のいく結果を出すことができたのだと思います。このような経験は日本ではなかなかできないほか、WIN Conferenceを通じて培った知識や経験がその後の就職活動にも役立っていることから、今では大変だったけど挑戦して本当によかったなと思っております。

総括

・Boothのようなトップスクールに入るとWIN Conferenceなど就職活動に役に立つ様々な機会が与えられる。また、大学もそれをバックアップしてくれる。

・Boothのプロフェッショナル系クラブのCo-Chairsは優秀な人達ばかりで、メンバーのために色々とサポートをしてくれる。

・クラブ活動を通じて異なるバックグラウンドを持つ人達と共同作業することで、日本では得られない経験を積むことができ、色々な面で成長することが出来る。

2019 Autumn Quarter 授業の履修状況 (Class of 2020)

皆さん、こんにちは。Class of 2020のH.Mです。

先日の記事に引き続き、Class of 2020(2年生)の秋学期の授業の履修状況についてお伝えします。授業の分類等は全て同様になります。

Boothのカリキュラムでは1年生から様々な授業を選択できますが、2年生になると履修科目はElective、もしくはFoundation, Functionの上級レベルのクラスが中心となっていることが見て取れるかと思います。

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このうち、いくつか特徴ある授業について詳細を各履修者に記載してもらいました。

Entrepreneurial Finance and Private Equity

ベンチャーキャピタル・プライベートエクイティー(バイアウト)に関する授業で、Entrepreneurship及びFinaceの発展科目に位置づけられています。授業内容はケースによるディスカッションを中心としながらも、アカデミックな論点(バリュエーション手法の実務と学問の乖離、VC投資におけるオプションバリュー等)もふんだんに盛り込まれており、実務と学問の橋渡しとなるような内容です。

担当のSteven Kaplan教授は、1980年代から同領域の研究を続けるトップ研究者かつ、シカゴ大学のアントレプレナーシップ教育を統括するPolsky Centerの創設者でもあり、学内でも非常に有名な教授の一人です。彼の豊富なネットワークから、ゲストスピーカーもたくさん授業に訪れます。(Class of 2020 H.M)

International Financial Policy

授業の前半では、UIP、CIPなど為替市場において二国間為替レートがどのように決定されるかについてその背景にある理論を学び、後半では、前半で学んだ為替理論をベースに、各国の為替制度と、財政政策、中央銀行による金融政策の効果を様々な実例を用いて分析するといった内容です。

ユーロ危機やアジア通貨危機、アメリカの貿易赤字問題、日本のLiquidity Trapなど、国際マクロ経済の主要なトピックが取り上げられ、これらを理論的に分析するフレームワークを身につけられたので、非常に実用的な授業でした。教授はとても熱心で、複雑なモデルを丁寧にわかりやすく解説し、実際のFXトレーディングプラットフォームを使ったデモアカウントによる架空FX取引の分析という宿題や、毎週のクイズ、興味深い参考資料と、総じてみて充実した授業内容だったと思います。(Class of 2020 S.W)

Choice Architecture in Practice

Behavioral Scienceのコンセプトを活用したコンサルティングを行う一年間のラボ授業です。BehavioralSightというブティックのコンサルティング会社の代表の教授のネットワークで、大企業・ベンチャー企業・Non profitから6社のクライアントが集められ、そこから自身の希望ベースでクライアント及びチーム(4人/チーム)が決まります。秋学期に課題整理・初期的調査・Behavioral Scienceに基づいた仮説構築と打ち手の立案をクライアントと週1でコンタクトしながら進め、冬学期に実際に打ち手を実行しデータ収集し、春学期にデータ分析に基づいた打ち手の効果検証と最終提案を行う、というステップで進みます。

通常のコンサルティングとの違いは、人の行動に着目する点だと思います。例えばStatus quo bias(皆がやっているから自分もやらないといけないと思うようになること)などのコンセプトを意識しながら、改善したいと考えているターゲットの行動理由を分析し、どのようなバイアスをかけて改善するか、というアプローチを取ります。ある程度ワークロードはありますが、今後のキャリアにおいて、組織運営など様々な場面で使える経験が出来ているという印象です。(Class of 2020 R.K)

Technology Strategy

一言で表すのであれば「技術革新に伴う業界構造の変化を前提とした企業戦略」の授業です。アントレ系の授業と間違われやすいですが、アントレ要素は薄く、既存の大企業と新規参入企業のそれぞれの戦略を読み解く授業です。ケースを中心としたStrategyの授業ですが、一般化されたコンセプトを伝えることを教授は意識しており、学びは大きいです。

テーマとしては、前半はハードウェア(CPU、TV、PC等)の話から始まり、例えばPC業界において、IBMは垂直統合モデルで業界を立ち上げ、モジュール化に伴いローエンドの新規参入が進み、最終的にIntelのチップとMicrosoftのOSに価値が集約されていく背景を、キーとなる業界構造の変化を押えつつ説明していきました。後半は今まさに起こっているソフトウェア(AR/MR、IIoT、Cloud等)よりの話に移り、例えば産業向けのIoTサービスにおいて、コアクラウドのプレイヤー(AzureやAWS等)、IoTプラットフォーマー(C3やPTC等)、産業プレイヤー(SiemensやGE等)、其々の異なるレイヤーでの取る戦略の違いを扱います。記事を書いている2年目秋の時点でベストに近いいい授業でオススメです。(Class of 2020 R.I)