Boothの授業について: Portfolio Management, Managing the Workplace

こんにちは、Class of 2023のHです。
今回のブログでは、フレキシブルなカリキュラムを活かして1年目に履修した授業をいくつかご紹介させていただきます。

◆授業名:Portfolio Management
・教授名:Pastor, Lubos
・Concentration:Finance, Analytic Finance
・授業内容、面白かったポイント、学び:
 授業のメイントピックは複数アセットを組み合わせてポートフォリオを構築する理論で、ソフトウェアに過去パフォーマンスのデータを読み込ませてTangency portfolioを算出する……という数量的な話もありますが、この授業の面白いところはそれに加えて毎週カバーされるFinance / Investment関連のトピックです。ESG投資、行動経済学、マーケットアノマリー、アクティブ運用vsパッシブ運用、バリュー株投資、イエールモデルといった業界の流行りから運用関連の書籍に出てくるネタまで次々とカバーされて、この授業を受ければ資産運用の全体像が理解できると思います。広範な授業を可能にしているのがPastor教授の手腕で、どのトピックにおいてもご自身のペーパーがあるのが驚きですが、所与のものと捉えられているような各種の事象の矛盾を皮肉を込めながら指摘をしていくため、講義は聞いていて楽しいです。その中でも個人的には、ESG投資によるリターン追求および投資期間の長期化によるリスク低下の否定が気付きとなりました。

◆授業名:Managing the Workplace
・教授名:Prendergast, Canice
・Concentration:Economics
・授業内容、面白かったポイント、学び:
 Robert Topel教授によるミクロ経済を受講して、ミクロ経済の理論がいかに現実世界に落とし込まれているのかを知ることができたのですが、その次のステップとして、ミクロ経済の観点から人事制度の効率性等について分析する本授業を選択しました。MBA留学前に日本系企業の人事制度に携わったことがあり、人事なんて抽象的・上層部の趣味次第の領域だと思っていたところ、理論的に思考することが可能だと知れて大変有用でした。存在意義の分からなかった年功序列制度 (Deferred compensation)についても科学的なメリットがあることを知ることができ、留学前の自身の葛藤が多少は解消されました。人事関連に携わる方・興味のある方には是非お勧めの授業です。また講義中に労働環境や賃金制度等の国別比較が出てきますが、Extreme caseとして日本がたびたび登場して、自分の置かれている環境を俯瞰的に知れたのも良いポイントでした。