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Meet the Dean

Chicago Booth Magazineに、Dean Madhav Rajanのインタビュー記事が掲載されました。学校の方向性等について色々語ってるので、興味のある方はこちらからどうぞ。

最近は世界中を飛び回ってて中々会うことができないのですが、ものすごく気さくな人という印象を受けました。先日はDeputy DeanのStacey Koleとタウンホールを生徒向けに開催し、学校の現在・今後の取組ついて話したり、生徒からの質問に答えたりしてました。また、Dean就任スピーチでは、学校について熱く語る姿が見受けられました。

学部長って聞くと、固いイメージを持つ方が多いと思います。
ですが・・・アメリカではそうでもないです。

  • BoothのDean就任前は、Stanford GSBで働いており、MBAプログラムの責任者を務めてました。GSB時代に生徒が動画を撮影したのですが、主演を演じてます。ビデオはこちらから。
  • GSB時代だけだと思いきや、先日開催された、LEADプログラムの一環であるReel Leadership(3人1チームがショートムービーを作成するコンテスト)にも出演しました。ちなみに先日ノーベル経済学賞を受賞したRichard Thalerも出演してます。ビデオはこちらから。

基本真面目なのですが、時にはお茶目な部分も見せる、本当に良いDeanだと思います。

閾値で考えるMBAのキャリア(寄稿)

今回は、シカゴ大経済学部博士課程の方に寄稿頂きました。Boothが数理マーケティングにおいて極めて強くStanfordと双璧をなす存在になっているという点は注目です。

Y.Uさん、お忙しいところ執筆頂きありがとうございました。

 

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こんにちは、経済学部の博士課程に在籍しておりますY.Uと申します。この度、門外漢である私がMBAのブログで記事を書くことになりました。私がMBA志望の方に提供できる有用な情報はなんだろうとだいぶ頭を悩ませたのですが、「閾値で考えるMBAのキャリア」というお題でお届けしようと思います。

まず、私がキャリアを考えるうえで大変に影響を受けた言葉を紹介しましょう。シカゴ大学には「ヤバい経済学」で知られるスティーブン・レビットという名物教授がいるのですが、彼の第1回目の授業での衝撃的な発言です。「大学院における君らの過ごし方っていうのは大体4つある:

  1. トップスクール就職を狙ってチョーがんばる
  2. そこそこがんばって上位層を狙う
  3. 博士号を最短期間で取得することにフォーカスする
  4. ダラダラとモラトリアムを楽しむ

3と4は、アリな選択肢だ。でも2は最悪だ。なぜかって?ここで博士号さえ取れればまあ民間企業には雇ってもらえるさ。でもそこからもう少しがんばって、中堅大学で教授になっても効用のレベルとしてはあまり変わらないよ。学界ではトップにならなきゃあんまりエキサイティングじゃないからね。つまり、ちょっとだけがんばるくらいならダラける方がマシだ。」これはエコノミストを目指す学生に向けた言葉ですが、MBAを目指すビジネスパーソンにも示唆的なのではないでしょうか。入学前に激務を経験され、少々休暇の意味も込めて留学される方も見受けられます。しかし中途半端になるよりは「ネイティブばりの英語力を身につけてアメリカで就職するくらいがんばるか、暖かい場所でマリンスポーツとパーティーを楽しむか」という極端な二択にしぼる考え方が合理的な場合もありそうです。

さて、もし徹底的にがんばってアメリカでの就職を目指すことに決めたのであれば、Boothはなかなか良い選択肢であるように思われます。その最大の理由はランキングが高いことです。ランキングが高いゆえにシグナルが強く、コネがアメリカのプロフェッショナルファームのすみずみにまで行き渡っているため、下位のビジネススクールよりもアメリカにおける就職活動を(特に金融機関などで)楽なものにしてくれるはずです。ちなみにアメリカの労働市場においてコネがどれほど重要なものなのかは、リンク先の記事が参考になると思います。(http://qz.com/299923/why-job-referrals-matter/

また、日本人がアメリカ企業に就職する場合、期待されるのは(日系企業との取引を除けば)数理的なスキルです。この特定のスキルをBooth以上に深く学ぶことのできるビジネススクールは極めて少ないと言えるでしょう。たとえば、Boothがファイナンスや会計学に強いのはよく知られていることですが、実は数理マーケティングも極めて強いのです。現在のマーケティング学界で大きな位置を占め、電子商取引の発展とともに注目が集まるこの分野では、スタンフォードとシカゴが双璧をなすと言われています。これは他校のマーケティング学科の教授にも確認したので間違いのないことです。

以上長くなりましたが、学校選びに少しでも有用な情報となれば幸いです。

ビジネススクールの資金規模

少し前(2016年4月)のものになりますが、Poets and QuantsでビジネススクールのEndowmentに関する記事がありました。

http://poetsandquants.com/2016/04/04/businessschoolendowments/

BoothのEndowmentはBoothさんの寄付(EquityでAsset transferはされていないらしい)の推定評価額を含めるとHarvardにつぐ規模になるとのことです。教授陣やカリキュラムの拡充、施設・インフラ、プロモーション、奨学金などに使われることを想定すると、Endowmentの規模はビジネススクールの発展を考える上で非常に重要な指標になるかと思います。投資効果は将来のランキングにももちろん影響してくると思いますし、卒業生含むコミュニティーの強化やブランド価値の向上にも貢献するのではないでしょうか。

Poets and Quantsのグラフでは除かれているDavid Booth氏の寄付金額推定評価額(P&Qによるもの)をChicago BoothのEndowmentに含めるとグラフは以下のようになります。

主な学校のFull-Time MBA一人あたりのEndowmentは以下のようになります。

 

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Booth – strong buy

先日、同期がランキングの記事を書きましたのでそれに関連して、以前から思っていたことを調べてみました。以前から思っていたこととは、Boothは学校としての評価のわりに日本の受験生が受けていないのではということです。米国はもちろん、他のアジアの国でもBoothの評価は相応に高く、日本でUndervalueされている(ランキングに対して人気がない)のではないか、つまり買い(受験得)ではないかと思っていました。

今回、ランキングと受験者数を簡単に見てみたところ面白かったのでお伝えします。皆さん、やはりBoothは受験した方がいいと思います。

まず、先日記事のあったランキングの学校のAcceptance Rate、Yield、生徒数、AXIOMさんが調査されている日本人在校生数からそれぞれの受験者数を計算しました。日本人の合格率が全体の合格率と比べてどうかという点はありますが、日本人が何人受けたという情報は少なくともBoothでは在校生も知りませんのでそのように計算しました。あくまで簡単な計算で行っています。

まず、ランキングと全体の受験者数(計算値)をプロットすると下のようになります。ランキングと受験者数にはある程度の相関が見られます。BoothとKelloggは他校と比較するとランキングのわりに受験者が少ないです。地域的な理由があるかもしれません。

次に、ランキングと日本人受験者数(計算値)をプロットすると下のようになります。まず相関は小さくなります。そしてBoothがUndervalueの位置にあることが分かります。Stanfordもその位置にあります。

全体で見て同じような受験者数の学校を、日本人受験者数と比較すると下のようになります。Kellogg、Haasは日本では過熱気味、Boothはやはり少ないです。Kelloggは日本で特にその有名なマーケティングが上手くいっているのでしょうか。ただ全体で見るとBoothの方が受験者数が多くなっています。ということで日本でも同じように受験者が動くのであればBoothはもっと受験されてもよいと思います。

全て載せたものは下の通りです。

A.S.

あと一学期

2年生のCHです。今学期は後2週間ほどで終了。春休みを挟んだらついに最終学期(春学期)に突入し、6月には卒業です。
「あと1学期ある」と思うと、何となく卒業は先のことのように感じられますが、1学期=10週間なので、学校に来るのは賞味12週間を残すのみと思うと本当にあっという間にMBA生活が終わってしまいます。
とりわけBoothでは、授業を早め早めに履修して3月に卒業ということも可能です。
私も仲の良い友人で少なくとも3名は3月に卒業し、その内2名はそれぞれの母国に帰国してしまいます。残された時間をいかに過ごすか。。まず皆が考えるのは、最後の学期はなるべく勉強の負荷が比較的軽い科目を履修し、友人同士で「思い出づくり」に勤しむことです。ただBoothは最終学期にも魅力的な科目は多数開講されます。それなりにworkloadが重い科目も含まれています。そこで我々は迷う訳です。学生の身分を活かして腰を据えて勉強出来る時間はもう滅多にない。ならば、しっかり勉強して卒業した方がいいのかしら、と。
人それぞれ優先順位は異なりますが、卒業したら皆、アメリカ各地・世界各地に散らばってしまいます。
もう二度と会わない同級生もいるかもしれない。そのように考えると、わずかながら「思い出づくり」に重点が置かれがちな印象を受けます。実際今年に入ってから、友人と食事したり飲みに行ったりする回数はぐっと増えました。また、週末を使って旅行をしようという話も(どの程度実現するかは不明ですが)良くしています。

考えてみれば、MBAは不思議な空間です。
学生がアメリカ中・世界中から1000人近く集い、2年間同じ空気を吸い、当たり前のように毎日顔を合わせ、また世界各地に散らばって行き様々なキャリアを歩み始める。MBA取得のメリットとして良く挙げられる「世界中に出来る人的ネットワーク」ですが、正直言ってビジネススクール入学前は今一つピンと来ませんでした。日本にいても、例えば外資系企業に勤めれば外国人・日本人入り混じったネットワークが出来るじゃないか。。と考えていました。
今になってみると「世界中に出来る人的ネットワーク」の意味が何となく、肌感覚で分かってきたように思います。共に悩んだり、喜んだりした間柄は、単なる仕事上の繋がりよりも一層濃いですし、心強いものです。
あと12週間でこの生活が終われば、シカゴでのMBA生活は夢であったように感じられるのでしょう。
でもこのネットワークは強固に実態があるものです。最終学期は、更にネットワークを深めるべく、思い出づくりに勤しもうと思います。書いていて寂しくなってきましたが、迫りくる期末試験の勉強をしなければ。。