Booth: 自由度の高い授業環境

皆さん、こんにちは!Class of 2020のH.Mです。

Boothの特徴として、よく授業のFlexibilityが挙げられることをご存知の方も多いかと思います。必修指定されているのはLEADというリーダーシップの授業のみで、それ以外の授業は自分の好きなレベルのものを、好きなタイミングで履修でき、自由度が大きい(他校のように1年目はCore授業、2年目はElective授業という縛りがない)という意味です。

今回は、Class of 2020の日本人14人が、Boothの最初の学期(2018 Fall Quarter)に実際にどのような授業を履修しているかをご紹介し、どの程度のFlexibilityがあるかをご紹介出来ればと思います。

まず、前提として、BoothのカリキュラムはLEAD以外に、Foundations、Functions, Management, and the Business Environment (以下FMBE)、Electivesという3カテゴリーに分かれています。Foundationsは、Financial Accounting・Microeconomics・Statisticsの3分野それぞれからレベルは問わず1科目を履修することになっています。FMBEは、Finance・Marketing・Operations・Decisions・People・Strategy・Business Environmentの7分野のうち6分野以上からレベルは問わず1科目を履修することになっています。Electiveは完全に自由です。修了要件は20科目=単位2,000Unitです。

以下が14人の実際の履修科目の一覧です(LEADを除く)。尚、FMBEの科目にはElectiveにも重複してカウントされるものがありますが、その場合はFMBEとして色づけています。またMBA/MPCSのJoint Degreeが対象のコンピューターサイエンスの授業は別の凡例を付けています。


Foundation
Functions, Management, and the Business Environment
Electives
MPCS
Aさん 30116 - Accounting and Financial Analysis I 33001 - Microeconomics 37000 - Marketing Strategy 41000 - Business Statistics
Bさん 33001 - Microeconomics 38002 - Managerial Decision Making 38116 - Leading and Managing Teams 41000 - Business Statistics
Cさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 35200 - Corporation Finance 42001 - Competitive Strategy
Dさん 33002 - Accelerated Microeconomics 37000 - Marketing Strategy 41100 - Applied Regression Analysis
Eさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 41000 - Business Statistics 42001 - Competitive Strategy
Fさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 41100 - Applied Regression Analysis
Gさん 33001 - Microeconomics 38103 - Strategies and Processes of Negotiation 41000 - Business Statistics
Hさん 34705 - Entrepreneurial Discovery 51042 - Python Programming 55001 - Algorithms
Iさん 30000 - Financial Accounting 37000 - Marketing Strategy 41000 - Business Statistics
Jさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 37000 - Marketing Strategy 41000 - Business Statistics
Kさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 41000 - Business Statistics 42001 - Competitive Strategy
Lさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 37000 - Marketing Strategy 41000 - Business Statistics
Mさん 30000 - Financial Accounting 33001 - Microeconomics 34705 - Entrepreneurial Discovery 37000 - Marketing Strategy
Nさん 33001 - Microeconomics 34102 - New Venture Strategy 36110 - Application Development 37000 - Marketing Strategy

いかがでしょうか?履修に関していくつかコメントしますと、

  • 各学期とも3コマもしくは4コマを履修するのが標準的です。上記は全て1コマ=1週3時間×11週=単位100Unitの授業になります。履修している人はいないですが、5週間で単位50Unitの授業もあります。

  • どの時間のどの教授の授業を履修するかは自由です。上記で同じ授業となっているものも、別の時間帯、別の教授の場合が多く、そこも含めて各自で設計するようになっています。

  • 上記でElectivesの授業を履修している人がたくさんいますが、これは1年生の1学期目からアントレプレナーシップ等の授業を履修できるFlexibilityの現れと思います。

  • Tech系の授業を履修しているケースもありますが、中には、事前のプログラミングの経験は問われない一方、最終的な成果物としてWebアプリケーション等を自ら作成出来るようになる事を目指す授業もあります。Tech系の授業は近年人気が高まっている傾向にあります。

  • 最初の学期からElectiveの授業を中心に履修している人もいますが、最初の学期ではFoundationsを履修する人が多いです。これは他の授業の多くにFoundationsがPrerequisiteとして指定されているためです(職務経歴等によりWaiveも可能)。

  • 同じFoundationの中でも学部時代に既に履修していたり、職務の中で経験している場合は、中上級クラスを履修することも可能です。具体的には下記の通りです(各クラスの履修者により執筆)。

    • Financial Acountingの上級クラス(Accounting and Financial Analysis I):財務会計の中でやや難しい項目を扱うクラスという位置づけで、基礎クラスの延長上にあるイメージです。具体的には、繰延税金資産・負債、リース、年金、投資、為替調整勘定、連結処理等の分野において、税率が変わった際の処理や10Kの情報から何が読み取れるか?と、概念というよりは深く実践的に学べます。教授(Leonald Soffer)の評判が高く、難しい処理をクリアに解説してくれます。企業のFinanceロール、投資銀行、PEファンドを目指される方には有益な授業だと思います。尚、BoothではこのクラスはFootnote accountingと呼ばれますが、一般にFootnoteという言葉から想像されるクラスとは異なる印象でmisleadingですので誤解に要注意です。

    • Business Statisticsの上級クラス(Applied Regression Analysis):通常の統計は統計学の基本を学んでいく一方、回帰分析モデル診断及び選択・時系列分析・一般化線形モデルなどを統計ソフトのRを持ちいて学びます。Boothに設置されているデータ分析関連の授業では、R又はPythonを使う授業も多く、私は一年目の冬学期に、病院のデータをRで分析する授業を履修する予定のため、その準備として履修しました。

    • Microeconomicsの中級クラス(Accelerated Microeconomics):通常のミクロ経済学との違いは、①進度が早い、②現実社会をミクロ経済学の理論を用いて分析することに重きが置かれている、という2点になります。例えば、「空港のチェックインカウンターや郵便局の窓口への列が、各窓口毎に列を作るのではなく、一列だけにしていることは平等と言えるか」や「アルコールによる社会が被る損害を最小化するためには、酒税はどのような考え方で設計されるべきか」等が宿題で課されます。尚、上級のミクロ経済学の授業は、履修者によると、分析対象のテーマ自体をチームで考えてそれを分析する、という授業のようです。

授業の履修については、冬学期以降さらに多様になっていきます。こちらもまた冬学期になりましたらお伝えできればと思います。


Chicago Booth, The World's Best MBA Program

Class of 2020のLMです。

英国のエコノミスト誌が10月27日に2018年のMBAランキングを発表致しました。
結果、Boothがトップとなりました!(詳細記事はこちら)

同紙が特筆しているのがBoothのAlumni Network。MBAの中でトップクラスの規模を誇ると報道しており、私も個人的にBoothの強みだと感じています。日本でも卒業生ネットワークがとてもアクティブに活動しています。

Boothで得られる経験やネットワークにご興味のある方は、是非11月12日に行いますWebinarにご参加ください。在校生から直接Boothの強みを聞ける貴重な機会ですので、事前申し込みを忘れずに!

12th November - Live Chat with the Japan Club

11/12(月)にて、Chicago Booth在校生とのLive Chatを開催します!

Boothの特徴・学生生活・アドミッションのプロセス等についてシェアさせて頂くほか、Q&Aセッションにて皆様からのご質問に回答致します。ご質問内容はLive Chat登録時に入力可能なほか、Live Chat中でも受け付けます。 受験プロセス中の方、または受験を検討中の方、気軽にご登録ください!

日時:11/12(月)11 pm-12 pm JST  (=CST 8am - 9am)  
言語:日本語
登録:こちらからご登録ください。

※ 当日のリンクは登録後にメールされます。


Live Chat by Chicago Booth Japan members

Ask about their summer internships, classes, student life, faculty, recruiting, and more. Don't miss this opportunity to chat directly with current students and hear more about living in Chicago as part of the Booth community.  

Date & Time : Nov 12, 2018   JST 11pm - 12pm (CST 8am - 9am)
Language : Japanese (**Slide contents are in English. Asking questions in English is ok**)
Registration : Please click here to register!  

Satya Nadella, CEO Microsoft @ Booth

Class of 2020 LMです。先週、BoothにてMicrosoft CEO Satya Nadellaの講義がありましたので、要点を掻い摘んで、投稿致します。


1992年、University of Chicago Graduate School of Business (現Booth School of Business、以下Booth) に合格したSatya氏は選択を迫られていた。前職を離れることは決めていたが、Boothのオファーレターが来たのと同時期に、Microsoft社からも技術職のオファーが来ていた。悩んだ末にMicrosoftで働くことを決めたもののBoothで学ぶことを諦めきれず、1995年にBoothのFull-time MBAオファーをWeekend MBAに切り替えて進学を決めた。毎週金曜日にシカゴ入り、土曜日に授業を受け、月曜日にはシアトルの仕事に戻る。二兎を追って二兎を得る、それがMicrosoft社3代目社長 Satya Nadellaである。
そんなSatya氏が、2018年10月3日  Boothのランチレクチャーにてビジネスで大事にしてきたことを2つ語った。

一 Boothで養えるビジネスセンス

「Steven Kaplan教授から学んだEntrepreneurial Financeの授業が心に残っている。」もともとエンジニアであったSatya氏は、MBAに来る前はビジネスの仕組みが掴めなく自信がなかったと言う。一方で数字やモデルは得意だった氏だが、Kaplan教授のクラスではファイナンスの授業でありながら数的根拠だけでなく、定性的な情報も駆使し、考え抜いた結論を求められた。ファイナンス等の基礎知識をしっかり鍛えるのは当たり前。Boothで学ぶビジネスセンスとは、さらに全体を把握した上で合理的思考に基づいた結論を出す高次元の思考力・判断力。Chicago Approachでは、ビジネスそのもの(What to think)を学ぶのではなく、ビジネスにおける考え方(How to think)を学ぶことができた。MBA卒業後、このビジネスセンスは自信に繋がり、Microsoftでずっと大事にしてきたという。

二 他人の気持ちや立場を理解しろ

Microsoft社の面接の最後に「道端で赤子が泣いていたらどうする?」と問われたSatya氏は、「警察を呼ぶ」と答えた。面接官は呆れた顔で「赤子が泣いていたら抱いてあやすのが常識だ。お前は頭はいいが、他人の気持ちや置かれた立場をもっと考える必要がある」と叱られた。その意味が分かったのは、もっと月日がたった後だった。
Satya氏の長男は脳性麻痺がある。ずっとSatya氏は「何故、私にこのようなことが起きたのか」悩んだと言う。しかし、妻がキャリアを捨てて自然と長男に向き合い、育児に力を注ぐ姿を見て、徐々に「他人の立場を理解する」ということはどういうことか思い至るようになった。「私に何が起きたのか」ではなく、息子に何が起きたのか、妻は何を感じているのか、そして自分が何をするべきかを深く考えるようになり、初めて他人の立場を理解して行動することの大事さを理解した。仕事でも同じで、より良い同僚、仕事のパートナーになる為には他人のことを気に掛けることが重要だと語った。