Class of 2020 LMです。先週、BoothにてMicrosoft CEO Satya Nadellaの講義がありましたので、要点を掻い摘んで、投稿致します。
1992年、University of Chicago Graduate School of Business (現Booth School of Business、以下Booth) に合格したSatya氏は選択を迫られていた。前職を離れることは決めていたが、Boothのオファーレターが来たのと同時期に、Microsoft社からも技術職のオファーが来ていた。悩んだ末にMicrosoftで働くことを決めたもののBoothで学ぶことを諦めきれず、1995年にBoothのFull-time MBAオファーをWeekend MBAに切り替えて進学を決めた。毎週金曜日にシカゴ入り、土曜日に授業を受け、月曜日にはシアトルの仕事に戻る。二兎を追って二兎を得る、それがMicrosoft社3代目社長 Satya Nadellaである。
そんなSatya氏が、2018年10月3日 Boothのランチレクチャーにてビジネスで大事にしてきたことを2つ語った。
一 Boothで養えるビジネスセンス
「Steven Kaplan教授から学んだEntrepreneurial Financeの授業が心に残っている。」もともとエンジニアであったSatya氏は、MBAに来る前はビジネスの仕組みが掴めなく自信がなかったと言う。一方で数字やモデルは得意だった氏だが、Kaplan教授のクラスではファイナンスの授業でありながら数的根拠だけでなく、定性的な情報も駆使し、考え抜いた結論を求められた。ファイナンス等の基礎知識をしっかり鍛えるのは当たり前。Boothで学ぶビジネスセンスとは、さらに全体を把握した上で合理的思考に基づいた結論を出す高次元の思考力・判断力。Chicago Approachでは、ビジネスそのもの(What to think)を学ぶのではなく、ビジネスにおける考え方(How to think)を学ぶことができた。MBA卒業後、このビジネスセンスは自信に繋がり、Microsoftでずっと大事にしてきたという。
二 他人の気持ちや立場を理解しろ
Microsoft社の面接の最後に「道端で赤子が泣いていたらどうする?」と問われたSatya氏は、「警察を呼ぶ」と答えた。面接官は呆れた顔で「赤子が泣いていたら抱いてあやすのが常識だ。お前は頭はいいが、他人の気持ちや置かれた立場をもっと考える必要がある」と叱られた。その意味が分かったのは、もっと月日がたった後だった。
Satya氏の長男は脳性麻痺がある。ずっとSatya氏は「何故、私にこのようなことが起きたのか」悩んだと言う。しかし、妻がキャリアを捨てて自然と長男に向き合い、育児に力を注ぐ姿を見て、徐々に「他人の立場を理解する」ということはどういうことか思い至るようになった。「私に何が起きたのか」ではなく、息子に何が起きたのか、妻は何を感じているのか、そして自分が何をするべきかを深く考えるようになり、初めて他人の立場を理解して行動することの大事さを理解した。仕事でも同じで、より良い同僚、仕事のパートナーになる為には他人のことを気に掛けることが重要だと語った。