自由度の高い授業環境: 2019 Winter Quarter

皆さん、こんにちは!Class of 2020のH.Mです。

11月にClass of 2020の日本人14人が、2018年Fall Quarterに実際にどのような授業を履修しているかを投稿しました。今回は、2019年Winter Quarterの実際の履修状況をお伝えできればと思います。

以下が履修科目の一覧です。各授業の分類については前回の投稿をご確認ください。

Foundation
Functions, Management, and the Business Environment
Electives
MPCS
Aさん 35201 - Cases in Financial Management 35214 - Debt, Distress, and Restructuring 40000 - Operations Management
Bさん 34101 - Entrepreneurial Finance and Private Equity 35200 - Corporation Finance 37000 - Marketing Strategy 42001 - Competitive Strategy
Cさん 30116 - Accounting and Financial Analysis I 35214 - Debt, Distress, and Restructuring 40000 - Operations Management
Dさん 30001 - Cost Analysis and Internal Controls 30130 - Financial Statement Analysis 40000 - Operations Management 42117 - Platform Competition
Eさん 34304 - Cryptocurrency and Blockchain 35000 - Investments 35214 - Debt, Distress, and Restructuring 38002 - Managerial Decision Making
Fさん 35000 - Investments 37000 - Marketing Strategy 40101 - Supply Chain Strategy and Practice
Gさん 30116 - Accounting and Financial Analysis I 34101 - Entrepreneurial Finance and Private Equity 35000 - Investments
Hさん 34101 - Entrepreneurial Finance and Private Equity 36110 - Application Development 41100 - Applied Regression Analysis 52011 - Introduction to Computer Systems
Iさん 38001 - Managing in Organizations 42001 - Competitive Strategy 42108 - Corporate Governance
Jさん 34110 - Social Enterprise Lab 35000 - Investments 40000 - Operations Management
Kさん 30121 - Accounting for Entrepreneurship 33040 - Macroeconomics 33503 - Managing the Firm in the Global Economy 35000 - Investments
Lさん 33040 - Macroeconomics 34722 - Scaling Social Innovation Search Lab 35000 - Investments 38001 - Managing in Organizations
Mさん 34302 - Entrepreneurship through Acquisition 38001 - Managing in Organizations 38103 - Strategies and Processes of Negotiation 41100 - Applied Regression Analysis 55001 - Algorithms
Nさん 33040 - Macroeconomics 34103 - Building the New Venture 41100 - Applied Regression Analysis 42117 - Platform Competition

いかがでしょうか?Fall Quarterでは、Foundationの授業履修が多かったですが、今学期は皆、FoundationからElectieveに至るまで多様な授業を履修しており、まさにBoothのFlexibilityの高いカリキュラムを存分に活かした形になっているかと思います。(先学期同様、同じ科目名の授業でも、どの時間帯の授業を履修するかは自由です。)


1年生のうちから様々なElective授業を履修できるのが一番の特徴と思います。実際の履修者にElectiveがどのような授業なのかを紹介してもらいましょう。

Debt, Distress, and Restructuring

Corporate Financeの分野の上級クラスの一つで、企業のCapital StructureとDistress投資の二つを主に扱います。Capital Structureのセクションでは、Capital Structureは企業価値に影響を与えないというMM理論の限界を説き、Capital Structureがどうキャッシュフローに影響してくるか、最適なCapital Structureどうあるべきかについて学びます。例えばLBOにおいて、Tangibleな資産をSPCに移して倒産隔離を測り、ABSによる資金調達を行うことでどれほど利率を下げられるかを計算する等、かなり細かい実務面に踏み込んでいる印象です。Distress投資のセクションではハイイールド債への投資から、経営破綻寸前の企業のバイアウトのケースまで幅広く扱い、Credit Default Swapの仕組みやChapter 11の申請を一通り教えた後、最後に各グループでDistress投資のピッチをつくり発表するという内容になっています。どちらのセクションもハイレベルな内容で、教授やプログラムを提供可能という観点、学生側のニーズが高いという観点で、金融に強いBoothならでは授業ではないかと思います。(Class of 2020 R.I)

Social Enterprise Lab

Social Impactにフォーカスした、Labコース(実在企業などの問題解決に取り組むプロジェクト型授業)の一つです。クライアントは、伝統的なnonprofit(非営利組織)だけでなく、社会的課題の解決をミッションとするfor-profit(営利企業)まで含まれます。私のケースでは、中小企業やNPOにフォーカスした40名規模のコンサルティングファーム(for-profit)がクライアントで、幅広い中小企業・NPOにリーチするための新規サービス開発 / 市場リサーチに5人のチームで取り組んでいます。中小企業やNPOへの個別コンサルは、採算化が難しく、事業をスケールさせていくにも限界があるので、行政・財団・投資家・銀行・大企業などのエコシステムレベルの組織を直接的なターゲットとして、彼らを通じた中小企業・NPO向けのサービスやプログラムを作っていくのが基本的な方向性です。秘密保持のため詳述は控えますが、クライアントが温めた複数のコンセプトに対して、潜在顧客・パートナー・業界専門家などへのインタビューやアンケートなどを通してマーケット調査を行い、ビジネスケースを立案するところまでが責任範囲です。このLabコースには、Social Impact業界への就職に本格的に取り組んでいる人から、好奇心ベースで受講している人まで参加の動機は様々であり、Harris(シカゴ大学公共政策大学院)からの参加者も多いので、様々なバックグラウンドの人が集まるのも特徴の一つです。業界経験の豊富なコーチ(メンター)が各チームに付き、教授と合わせてプロジェクトの進行をサポートしてくれるので、彼らのアドバイスやフィードバックが非常に有益だと感じています。(Class of 2020 J.Y.)


Accounting for Entrepreneurship

設立からIPOに至るまでのStartupの成長過程において、CFOとして必要になる知識を習得する授業です。Accountingと名がついていますが、会計よりもStartup特有の財務戦略をメインに扱います。トピックとしては、Common stockとPreferred Stockの違い、Cap tableの構築とOption poolの設定、会社形態(LLC, C-Corpなど)の違いによる税務上の長所・短所、Founder間の株式分配、役員・従業員報酬(Stock optionなど)の配分、VC・社債・IPOによる資金調達などを取り扱います。教授(Ira Weiss)はAngel投資家やソフトウェア開発企業のBoard Memberとしての実務経験もあることから、実在企業の事例などを多く交えて講義が構成されています。また、税務戦略の専門家(Taxes and Business Strategyという別講座も担当)でもあることから、Startup特有の税制優遇や会計処理などについても扱います。(Class of 2020 T.K.)

授業の履修については、今後もお伝えできればと思います。

Marketing Trek 2018

Class of 2020のKです。昨年12月にMarketing Trekに参加しましたので、その内容をレポートします。

 そもそもTrekとは何か?他にどのようなTrekがあるのか?については、過去のポスト(Tech Trek 2017レポートHealthcare Trek)をご覧ください。

 Marketing TrekはMarketingというFunctionを軸とした企業訪問旅行です。今回の参加者は8人で、Seattleにて4社(MicrosoftAmazonBoeingStarbucks)、San Franciscoにて6社(SalesforcePremier NutritionLinkedInGoogleOld Navy(GAP)、Lyft)を訪問しました。各企業ではBoothアラムナイを中心とした社員の方の話を伺ったり、工場見学をさせていただいたりなどしました。

 この種のTrekは就活目的で参加する人が多いのですが、このMarketing Trekは、就活とは無関係に純粋にMarketingに興味を持っている人(私含む)も参加しており、もちろん真剣でありながらflexibleな、とても雰囲気の良いTrekでした!

 以下、特に印象に残った企業についての感想です。

 

·       Microsoft

 BoothアラムナイのSatya NadellaがCEOになりもたらした変化についての話題が面白かったです。Hardwareも扱っているので、開発中の製品や3Dプリンター等も見せてもらいました。

 

·       Amazon

 決済分野等の新しい事業も含め、世界中の日常生活にますます浸透してきているという印象を受けました。2018年にオープンしたばかりのSpheres(ワークスペース)や、Amazon Goを訪問することができて良かったです。ペットを連れてきている社員の方が多いことも印象的でした。

·       Boeing

 B-to-B Marketingの奥深さを知ることができ、今回の旅のbest momentだったかなと思います。まずは最新型の機内のモデルを見せてもらい、seat designや照明の工夫など、最高のflightを提供するための企業努力を知りました。また、顧客であるAirlineに対して実際にどのようにセールスを行っているのかを実演してもらい、例えば競合他社がより低い価格で航空機を売っているわけですが、耐用年数を踏まえるとコスト面の優位性もアピールできるなど、売り込み方によって商品価値を高めていけるということを学びました。

 

·       Starbucks

 世界各国に様々なカフェ・ドリンク文化がある中で、市場に浸透して行くための工夫が興味深かったです。カフェ店舗がスタバの象徴である中で、販売チャネルの多様化も印象的でした。コーヒーや紅茶の試飲もさせてもらいました。

 

 ·       Google

 パネルの皆さんがGoogliness(日本語ではGoogle人らしさ、でしょうか)についてしきりに語っていたのが印象的でした。社員の皆さんのjob functionも非常に幅広く、結果として個別の事業について突っ込んだ話はできず。大企業だなと思いました。

 

·       Old Navy

 安心感の裏にある顧客獲得・維持のための工夫が面白かったです。変わらぬ魅力を提供するためには、組織内部は現状維持ではいけないと思い知らされました。

 

·       Lyft

 Ride Shareという新しい業態のため、それぞれの社員がentrepreneurshipを持つことで急成長を実現しているようでした。パネルの方がchallengeもopportunityも多くexcitingだ、と言っていたのが印象に残っています。訪問したのがクリスマス前の金曜だったためオフィスにはほとんど人がおらず、働き方の柔軟さも感じました。

K4.jpg

また、訪れた街についての感想も。

 ·       Seattle

 気温はそこまで低くないのですが、ずっと雨が降っていてジメジメしていました。Chicagoは非常に寒いし雪も降りますが、カラッとしているので、良し悪しあるなと感じました。

ただ、働く人に優しい街だなという気がしました。ワシントン州は個人に対して所得税がかからないところが魅力的だと思います。またSeattleは最低賃金が$15/hourで、これを確保するためレストランではチップ込みの値段を請求されることが一般的であるようです。

Seattleで働く日本人のエンジニアの方にも会い、とっても働きやすいよという話を聞きました。日本で消耗している方はぜひSeattleへ。

edited.jpg

·       San Francisco

 中心部は高層ビルが規則正しく立ち並び東京に似た雰囲気を感じました。気候も良いし、アジア料理へのアクセスも良さそうです。ただ大都会ゆえではありますが、街ゆく人の雰囲気から貧富の差を感じる場面が多々あり、歩いてて怖いなーというエリアも結構ありました。

 Trekと関係ないのですが、空き時間に隕石が落ちているところを目撃しました。

·       Mountain View (Google)

 だだっ広い土地に大きなGoogleの本社(ビル複数)がポツポツと建っていました。率直に言えば何もないところだなと思いましたが、駅周辺のレストランなどは充実しており、また更なる開発も予定されているそうです。San Francisco中心部に住む人は片道1時間ほどかけて通勤しているそう。この通勤の時間も自分にとって色々物事を考えるための大切な時間なんだ、と言っていたパネルの方がいました。

 

全体として、各企業のMarketing戦略、働き方、オフィスや街の雰囲気など、訪問したことで得られた情報がたくさんあり、貴重な機会となりました。多くの企業は、一般旅行者としては立ち入ることができず、MBA(Booth)の学生だからこそ訪問を受け入れてくれました。これもMBAのメリットの一つだと思います。Boothが西海岸の企業やMarketingに強いというイメージはあまりなかったのですが、実際に訪れてみると、どの企業にもたくさんのアラムナイがいて驚きました。受験生の方もぜひ、先入観にとらわれずBoothのリソースの豊富さを知っていただければと思います。

 同級生との交流を深められたこともとても良かったです。少人数だったので全員と深い話ができ、食事や観光も一緒に楽しみました。このうち4人とはAirbnbで一緒に滞在し、夜中までNetflixを見たりして盛り上がりました。

Trek Leaderは企業へのアポイントや交通手段の確保等、とても気を配ってくれました。私は同級生でありながら、いち参加者として恩恵を得てばかりで申し訳ないなという気持ちになりましたが、Trek Leaderは ”My pleasure. This is work of love” と言っていました(器が大きい!)。Boothはpay it forwardの精神を大切にしているcollaborativeな校風で、私もエッセイではちゃんとcontributeするよーと書きましたが、優秀な同級生たちの中で付加価値を提供するのは実際のところ簡単ではないなと感じます(貢献できていなくても優しくサポートしてくれる同級生ばかりです、本当に)。授業料払ってるからいいんだと言ってしまえばそれまでですが、どこか足りない、貢献できていないという気持ちを今後の自分の成長に繋げていけたらと思います。

 

以上、Marketing Trek 2018レポートでした!

 

家族帯同 @ Chicago

こんにちは、Class of 2020のT.K.です。

今回はアカデミックな話題ではなく、家族帯同でChicagoに来る可能性がある方向けに子供を連れて楽しめる場所を中心に居住エリア周辺にある様々な施設を紹介させていただきます(もちろん大人の方だけでも楽しめます)。

 私自身は妻と子供二人(渡米時点で4歳の長男と生後2ヶ月の次男)と一緒にChicagoに移り住んできましたが、自分が学業に集中するためには、家族が現地の生活をエンジョイすることが非常に重要だと実感しました。そういう観点ではChicagoには大都市ならではの豊富なオポチュニティがあり、大変助かってます。

 ①    Chicago Children's Museum (Navy Pier内)

居住エリアから徒歩20分程度のところにあるNavy Pierという複合商業施設の中にある子供向け博物館です。幼児から小学生まで各年齢に合わせた遊び場があり、見たり、触ったり、走り回ったりして一日中楽しめます。また、Navy Pierには大きなフードコートや観覧車などの乗り物もあるので、博物館を出たあとも楽しめる場所がたくさんあります。ちなみに毎週木曜日の夕方と毎月第一日曜日は博物館の入場が無料です。

URL: https://www.chicagochildrensmuseum.org/

 

②    Shedd Aquarium

居住エリアから徒歩30分程度(車だと10分程度)のところにある、シカゴ最大の水族館です。32,000(1,500種)を超える海洋生物を有しており、敷地も相当広く、日本でも同規模以上の水族館は数えるほどかと思います。世界中の海洋生物が展示されており、生息地域別に展示エリアが分かれており、見どころ満載です。ちなみに、シカゴ市民は常に入場料が半額になるうえ(図書館カード、免許証、郵便物などによる証明が必要)、イリノイ州民の入場料が無料になる日も設定されています。

URL: https://www.sheddaquarium.org/

 

③    Field Museum

Shedd Aquariumに隣接しており、恐竜の化石、動植物の剥製、昔の人の暮らしの風景などが展示されています。中でも一番有名なのが、世界で最も完全に近いT.REXの全体標本であるSue(愛称)の展示です。やや大人向けの展示が多いため、子供連れの場合は小学生以上の方が楽しめるかもしれません。

URL: https://www.fieldmuseum.org/

 

④    Maggie Daley Park

観光名所として有名なMillennium Parkに隣接する公園で、巨大な屋外遊具(無料)があります。居住エリアからは徒歩5分程度ですので、週末にふらりと気軽に遊びに来ることができます。また、冬場にはアイススケートリンクが開設され、入場料は無料です。スケート靴をレンタルする場合は一人一日$15となります。連休中は靴をレンタルするのに長蛇の列ができることもあるので、スポーツ用品店などでスケート靴を購入するのもおすすめです(初心者用だと$60程度で買えますので4回行けば元が取れます)。

URL: https://maggiedaleypark.com/

 

⑤    Lake Shore East Park

住居エリア内にある公園で、滑り台やブランコといった遊具に加えて、広い芝生が広がったエリアもあります。普通の公園ではありますが、最も遊ばせることの多い場所です。公園を囲むようにマンションが立ち並んでおり、Downtownの喧騒とは隔離されているため、非常に安心して子供を遊ばせることができます。また、周囲のマンションにはBooth生以外にも子供連れの日本人家族が複数住んでいるため、子供同士が公園で一緒に遊ぶこともよくあります。冬場は雪遊びやソリ遊びなどが気軽にでき、冬のシカゴを子供と満喫できます。

 

⑥    Lincoln Park Zoo

バスで北に15分程度のところにあるLincoln Parkという公園内にある動物園で、1年を通じて入場料が無料です。無料とは思えないほどの展示の豊富さがあり、巨大な屋内遊具もあるので、子供連れにはうってつけの施設です。カフェテリアや売店なども所々にあるので、手ぶらで来園しても、一日中楽しむことができます。また、冬場には夜間のライトアップや各種イベントなども開催されます。

URL: https://www.lpzoo.org/

 

⑦    Museum of Science and Industry

Chicago大学のメインキャンパス近辺にあり、居住エリアからだとMetra(電車)もしくは車(Uber)での移動となります。名前のとおり、科学関連の展示が中心となっておりますが、目で見て体験できる展示が多く、未就学児でも楽しめるような内容になってます。中にはヒヨコの孵化が見られる展示もあり、ヒヨコが生まれる瞬間を常時見ることができます。常設展だけでも、全てを1日で見るには難しいほどの量があり、充実した内容となっております。なお、当博物館もシカゴ市民の入場料割引とイリノイ州民のFree dayが設定されています。

URL: https://www.msichicago.org/

 

これらの場所は、勉強に疲れたときに御家族を連れて息抜きをするにも良いですし、グループワークや授業の課題などで家を空けるときに御家族に楽しんでもらうにも良いですし、他の家族と一緒にいっても楽しいと思います。また、今回ご紹介した施設以外にもたくさんの遊び場がありますので、Chicagoにお越しの際は、是非、散策していただければと思います。