授業以外の学びの機会

こんにちは。1年生のSです。
ようやっとシカゴにも春がやってきた、、、と思っていたのですが、昨日からまた寒くなってしまいました。
本当の春が来るのはいつになることやら。今回は授業以外で最近私が活用した学びの機会を皆さんにご紹介したいと思います。

1. Financial Modeling Seminar
学期に1回程度開催される、投資銀行を志望する人を主な対象としたセミナーです。
Excelを駆使して企業価値評価をする方法を1日~2日間でみっちりと学ぶことが出来ます。
講師も元インベストメント・バンカーで、主要投資銀行でModelingのトレーニングを
行っているため、実践的な内容です。
学校で各論ベースで学んだ知識をFinancial Modelingという全体像/実践の中でどう活か
すかを学べる点は大きなtake awayだったと思います。

2. Alumni関係のイベント
主にシカゴで働いているシカゴ・ブースのAlumniの方々がキャンパスに来て
仕事に関する話をしてくれる機会が結構頻繁にあります。
私は毎週木曜日の朝に自宅から近いダウンタウン・キャンパスで開催されている
Breakfast Seriesというイベントに数回参加しています。
このイベントは、その名の通り朝食を食べながらシカゴ勤務の卒業生の仕事の話を聞き、
語らおうという趣旨のものです。

先日は債券投資で約20年の経験を持つ卒業生の話を聞きに行ってきましたが、
最近話題になっている欧州ソブリン問題、最新の証券化商品のマーケット動向、等々、
実務家の方に聞かないとなかなか実態が分かり辛い貴重な話を聞くことができ、大変有意義でした。
ファイナンス関連の卒業生ばかりというわけではなく(むしろBreakfast Seriesでは少数派)、
マーケティング・マネジャー、アントレプレナー、NPO勤務、等の幅広い層の卒業生が来てくれます。

3. Business Conference
各Student GroupのCo-Chairs等が主体となって開催するConferenceも多く開催されています。
Conferenceは地理的な分類(Latin America, India,等)と業界での分類(PE, マーケティング、等)
とに分かれます。

私は先日Latin America Business Conferenceに参加してきました。
非常に驚いたのですが、スピーカーは本当に大物ばかり。
チリ中央銀行の総裁、アルゼンチンの前財務大臣、大手食品メーカーの社長、
投資銀行のパートナー等々、錚々たる顔ぶれでした。
一応参加費は30ドル程度かかるのですが、朝食・昼食込みで30ドル程度でしたので、大変お得だったと思います。

Chicago はFinance Schoolか?

1年生のKSです。思えばMBA一年目も既に終わりが見え始めており、出願者であった(そして会社員であった)一年前が遠い日のように感じられる今日この頃です。

この一年間で、ビジット、知人の紹介などを通じ、色々な方々にシカゴブースについてご案内させて頂きました。今回は、その中で最も多く質問された事項について回答させて頂きたいと思います。(あくまで私見です!)

①シカゴはファイナンススクールでしょ?

これは最も多く寄せられる質問であり、私自身も「シカゴ=ファイナンス」のイメージをもって入学しました。そして実際、ファイナンスに強みをもっているのは事実です。例えば、今学期はラジャンカシャップというアメリカを(というか世界を)代表するエコノミストの授業を2つとっていますが、世界から注目される経済学者の授業を受講し、インタラクティブに意見を交わすことができるのは、シカゴならではの魅力だと思います。他にも、ノーベル賞を受賞したベッカーや、ノーベル賞の有力候補にあげられているファーマ、金融危機時にFEDで活躍したクロヅナー、中銀界のカリスマウェーバーなど、初歩レベルからPhdレベルまで、まさに豪華絢爛のファイナンス教授陣といった感じです。

ただ、実際にシカゴで学生生活を送ってみた身としては、「シカゴ=ファイナンススクール」といわれると違和感を感じるのも事実です。なぜなら、ファイナンススクールでもあるが、マーケティングスクールでもあり、アントレスクールでもあるからです。これは、フレキシブルなカリキュラムと一流の講師陣、豊富なリソース、の賜物です。2年間自分の興味の赴くまま授業を組み合わせることができ、ひとつの分野で掘り下げるもよし(Phdレベルまでいけます)、はたまた苦手分野を中心に幅広く履修することも可能です。極端な例ですが、ファイナンスが嫌いで殆どファイナンスを受講していない学生や、起業ネタ集めとアントレ授業中心の生活でポルスキーセンター(起業関連のリソースセンター)に入り浸っている学生もいます。つまり、自分の興味にあわせ、アントレスクールにもマーケスクールにもカスタマイズすることが可能です。

当然、アントレ・マーケなども一流の教授陣が揃っており、アントレを担当しているカプランは、おそらくアントレを学ぶ学生ならば(シカゴ以外でも)殆どが知っているビッグネームではないでしょうか。また消費財・コンサル・ブランドなど様々な企業がリクルーティングにやってきており、昨年は相当な人数の学生がコンサルのM社に内定しました。

アントレなどは、実際に起業する学生も多く、New Venture Challengeというイベント+授業では、最終的にPE・VC・起業家に対しアイデアを売り込み、優れたアイディアに対しては賞金や投資がつきます。Bump(日本でいう、携帯の赤外線通信にあたるもの)やGrouponといった、今をときめく起業もシカゴブースのアルムナイによるものです。

一応、必修科目に近いものはあり、「組織管理」「オペレーション」などの各カテゴリーが設定されていますが、レベル・内容・履修時期はフレキシブルに選択できるため、あまり縛られることはありません。また、同一教授が同一内容で、午前・午後・夜(ダウンタウンキャンパス)と教えており、殆どの場合、振り替え可能なので、就職時期など非常に便利です。

②シカゴはレクチャー形式?

最も意外な質問のひとつですが、よく質問を受けます。日本の学校のような、理論を先生が一方的に教える、というようなスタイルをイメージされている方が多くでびっくりします。この一年間、シカゴで色々な科目を履修してみてみましたが、日本の学校のようなレクチャーというのは全くありませんでした。たしかに、一応、レクチャー形式にあてはまる授業はあります。経済学や投資理論、分析系の授業などは、その性質上、理論的・レクチャー的になりがちです。

ただ、レクチャーだといわれると、これも違和感を感じます。理論的な枠組みにおいても、カレントなトピックや実際の事例にあたはめて解説する、プラクティカルな内容のものが多いですし、反論・コールドコール・質問が四六時中飛び交っている、という意味では所謂レクチャー(先生が一方的にしゃべっている)にはあてはまらないと思っています。たとえば、私は先にあげたカシャップの”Analytics of Financial Crises(金融危機分析)”というちょっとマニアックな授業をとっており、リーマンショック・PIGS問題・日本の住専処理、などをマクロ経済学・ファイナンス理論を使って分析していく、という(文面だけでは全く面白みの伝わらない)授業をとっていますが、WSJなどに頻繁に寄稿しているエコノミストの生の声を聞け(東電に関する記事もあります)、ヘッジファンドや投資銀行で実際に金融危機を経験したクラスメートの経験や意見(そして反論)を聞け、コールドコールの恐怖に常にさらされる(キャラの強い教授なのでアメリカ人ですら結構びびってます)、という意味で、レクチャー形式とは程遠いものとなっています。

また、ストラテジー、コーポレートファイナンス・マーケティングなどの授業は、その大半がケースディスカッションで構成されていますし、ラボなどのように実地でコンサルティングをするような授業がかなり多いです。また、トレックやカンファレンスなど、学生が自主的に運営している研修機会もふんだんにあり、おそらくこれらのリソースを2年間で使い倒すのが不可能だと思えるくらい素晴らしいです。

授業を通じて共通項を探すとすれば、シカゴブースでは、高い分析能力が要求されている、とはいえるような気がします。マーケティングなどにおいては定性分析(いわゆる3P,3Cなど)も勿論ですが、回帰分析などを駆使したデータドリブンマーケティングなどに特に定評がありますし、クラスメートの分析能力の高さにはいつも関心させられます。アメリカ人が数字に弱い、と日本人の中でよく言われる事象は、少なくとも当校においてはあてはまらない気がします。

今回は、授業スタイルを中心に書いたので、そのほかの学生生活などに関しては記載しませんでしたが、MBA学生の旺盛な知的好奇心を満たしてくれる(そして過剰に与えてくれる)という意味において、シカゴブース以上の環境はないのではないかと自負しています。

シカゴのスポーツ

1年生のWです。
シカゴも最近ようやく安定して暖かくなってきました。
暖かくなってくるにつれて、シカゴの街中でもジョギングなどスポーツを楽しんでいる人を多く見かけます。
そこで、今日はシカゴでのスポーツの楽しみ方について(観るのではなくて、やるほう)。MBAといえば、まずはゴルフ?日本と違って、手頃な値段で楽しめるのでアメリカに来てから始める学生も多いようです。シカゴにもダウンタウンから車で数十分のところにコースがあり、平日でも気軽に楽しめる環境にあります。私はゴルフはしないのですが、趣味として、また卒業後のビジネスのツールとしてゴルフはMBAと切り離せないもののようです。

次はジョギング。学生が住むアパートには必ずといっていいほど、ジムが備え付けられていることから、健康維持の目的から多くの学生が日常的に走っています。シカゴは東京と違って、ジメジメしていないことから外を走るととても気持ちが良いです。またシカゴでは、毎年秋に4万人が参加するシカゴマラソンが開催されており、Boothの学生でもマラソンにチャレンジする学生がけっこういます。かくいう私も、シカゴに来た記念に、今年は参加する予定なのですが、まだほとんど練習していません。。。

それほどプレーしている学生は多くないのですが、私が楽しんでいるのがボクシングとテニス。東京で見られるような清潔感があり、初心者でも入りやすいようなボクシング・ジムはなさそうな感じですが、ジム自体の数は多くまた価格も安めなのがよいところです(月40ドル程度。一方の東京は月10,000円くらい。)。ただ日本のジムと違って、腕に覚えのありそうな屈強な人たちが数多く練習しているので、スパーリングは避けたほうが身のためでしょう。テニスも手ごろな価格で楽しめます。ダウンタウンで多くの学生が住むアパートの近所にあるテニスコートの利用料金は1時間$10。コート数も多いため、予約などする必要もなく気軽に楽しめます。ただWindy Cityと呼ばれるだけあって、シカゴは風が強いのが難点。

以上の他にも、バスケットボールコートがアパートの中にあったり、ロッククライミングウォールが近所のジムにあったりと、いろいろなスポーツを気軽に手頃な価格で楽しめます。私は体を動かすこと自体は好きなので、あまりにも多くの選択肢の中でいろいろなスポーツにチャレンジしたくもなりますが、まずは地道にシカゴマラソンに向けて体力をつけようかと思います。

1年生での履修授業

1年生のTIです。早いもので、1年生の授業もこの春学期を残すのみとなりました。
私が1年生の間に履修した(する)授業は以下の通りです。選択基準は「専攻とする予定のFinanceとStrategic Managementに関連のある授業」と「サマーインターン(戦略コンサル、投資銀行)で役立ちそうな授業」です。
要は興味のある専攻予定分野が、そのままインターン先の選定につながり、これを軸に授業を選択した形となりました。1.戦略・Marketing系(コンサルインターン準備)
Marketing Strategy、Competitive Strategy、New venture and Small enterprise lab
2.Finance系(投資銀行インターン準備)
Investments、Corporate Finance、Cases in Financial Management、Financial Statement Analysis
3.その他:Microeconomics、Macroeconomics

振り返ってみて改めて認識したのは、何度も繰り返しになりますが、上記選択を可能にしたFlexible curriculumにより、自分のやりたいことに沿って効率的に授業を履修できるというValueの大きさです。
また教授陣のQualityの高さにも舌を巻きました。Boothに来るまでは「MBAと言っても、基本は座学だし、業務に活用できる本質的な知識を多く得られるのか?」というところに正直若干不安がありましたが、実際に履修してみると杞憂に終わりました。実務経験を積んだ百戦錬磨の元コンサルタントやバンカーが実際のケース、自分の経験を元に、3時間という長い講義をその時間を感じさせないぐらいにExcitingに授業を進めてくれます。

やりたいことが明確であればあるほどそのValueが大きくなる素晴らしい環境が揃っており、2年生はどの授業を取るか今から楽しみです。

いきなり話は変わりますが、Chicagoもだいぶ暖かくなってきたので、最近はゴルフに行く事が出来るようになりました。日本より相当安い&近いので、ゴルファーにとってとても嬉しい限りです。日本人以外の友達とも勿論一緒にプレーするのですが、国によってゴルフのプレーにも色々違いを感じられるのも楽しいです。あぁ、良きMBAライフ。。。

振り返って

二年生のTです。
いよいよ最終学期に突入しました。いろいろと振り返ってしまいますね。思えばあっという間でした。最初の一年ははじめてのことばかりで、生活に慣れるのも大変でした。一年目の冬はまだ生活リズムが今一つかめないまま授業に忙殺され、シカゴの冬も初体験し、結構気分が滅入りました。。。でも、ジャパン・トリップの企画・引率で楽しい経験をすることができ、元気になりました。なお、今年は地震の影響で中止となってしまい、一年生が去年以上に念密に準備していたのに残念です。

春学期くらいになって、急に暖かくなり、過ごしやすくなるとともに、やっと生活のペースが掴めて来たような感じでした。

夏休みを終えて、二年目となり最初の秋学期は勉強に一層集中できるようになり(その前もちゃんと入っていたはずですが)、大変充実していたと思います。

冬は通常の授業以外に地元企業とコワークするlab courseの授業をとったりとまた違った挑戦をしましたが、やっぱり冬は寂しくなりますね~。よく日本酒を飲んでいました。

今学期は最後ということで、自分の専門分野のファイナンスの授業を集中的にとって、これまでの集大成作りに専念しています。あとは、シカゴの春~初夏をエンジョイすることに専念します。

振り返って思うのは、2年間というのはじっくりと勉強するのにとても良い長さだと思います。やはり海外で生活するとなると、慣れるまでにある程度時間がかかります。

と同時に、勉強できなかったことも結構あります。

これはあくまで私の意見ですが、今年シカゴMBAに入学される皆さん、来年以降の入学を検討されている皆さんは、何を何のためにどのように学びたいのかを、是非しっかりと考えていただければと思います。また、入学された後には、それを大事にしながら(それに忠実になる必要はないと思いますが)、日々学んで行っていただければと思います。そういったことで、出願する際にエッセーを書きながら考えたことというのはとても大事なことだと思います。

何から何まで、全て自由に選んでくださいという感じの自由度の高い環境でしたが、その分、自分の持っている価値観が非常に試されたと思います。また、プロフェッショナルにとって必要な自己管理、自己鍛錬の心を養うことが出来たと思います。