最終学期

二年生のSです。
卒業まで残すところ1週間となり、シカゴ・ブースでの最後のFinal Examに向けて試験勉強に取り組んでいます。春学期は気候的に過ごしやすいこともあるせいか、大学やそのStudent Group等が主催する数多くのイベントがあります。今回はいくつか出席したイベントの中で、二つ紹介したいと思います。

●Microfinance Conference
このイベントは、シカゴ・ブース以外にシカゴ大学の公共政策大学院であるハリス・スクール、UCLAアンダーソン、及びケロッグが共同して主催したマイクロファイナンスに関連するカンファレンスです。テーマ毎に各学校の教授や実務家(主にNPO, 投資家、及び銀行)がパネル・ディスカッションやQ&Aセッションを行うのが主でした。私自身は当該分野での知見は全くありませんでしたが、1日がかりで幅広いトピックを扱うため、私のような初心者にもとっつきやすいイベントでした。特に、投資家の立場から見たマイクロファイナンスの意義と問題点、及びマイクロファイナンス関連の金融商品組成に関するTopicが個人的には興味深かったです。

●Spring Fling
シカゴ・ブースの学生だけのディナー・クルージング・パーティーです。チケットは$50と有料ですが、ミシガン湖からの素晴らしいシカゴの夜景と美味しい食事にAdult Beverageが付き、結果的には大変お得なイベントでした。実際、学生間での人気は非常に高く、早々にチケットが売り切れてしまったようです。ミシガンからの夜景を眺めているとシカゴから離れがたいという思いが一層に強くなりました。

Chicago Boothのアントレ教育について

2年生のKSです。2年間の締めくくりに何を書こうかと考えたのですが、アプリカントの方からの質問で一番多いにも関わらずブログで余り触れられていないアントレネタについて書こうと思います。始めに断っておくと、私は実際の起業経験もなく、今後も(少なくとも当面は)起業をする予定も無いので、飽くまでMBA生としてのアントレ体験、という点に絞った話になります。アプリカントの方々の多くも、実際に起業する、というよりはMBAで起業について一通り経験してみたい、という感じだと思いますので、参考になれば幸いです。

アントレという観点からのChicago Booth
日本では、「Chicago=Finance」というイメージが定着しているかもしれませんが、FTでも特集されているように、アメリカ国内ではChicagoのEntrepreneurship Educationはかなり注目されています。実際、殆どの学生がEntrepreneurshipをConcentrationに入れていますし(Financeについで二番目に多い)、入学当初は、起業経験がある同級生、卒業後起業した(する)同級生が予想以上に多かったことに驚いた記憶があります。

どこのビジネススクールもアントレ教育に力を入れているのですが、Chicagoの特長は何といっても、a)(PE、VC)キャピタリストとの距離の近さ、 b) Chicagoという立地を活かしたExperiential Learning 、c) 授業のフレキシビリティー×クオリティー、d) New Venture Challenge という4点にあると思います。

a) キャピタリストとの距離
The Carlyle Group やBlackstoneなどの有力ファンドがChicago Alumniによって設立されているように、過去数十年に渡り多くのキャピタリストを輩出しており、またLaSalle Investmentのようにシカゴベースのファンドも少なくないため、投資家と話す機会が豊富にあります。私自身も、授業やビジネスコンペで直接起業アイデアをぶつけ、フィードバック(という名の言葉攻め)を受けたことが何度かありますが、こうした経験はBoothにこなければ(実務でも)難しかったと思います。また、教授陣にも、投資家、起業家出身が少なくなく、理論だけでなく起業の泥臭い部分(失敗経験やリスクなど)を聞けるのもBoothならではだと思います。

b) Chicagoという立地を活かしたExperiental Learning
日本ではあまり知られていないですが、ChicagoはGDP世界第4位の都市であり、金融だけでなく起業も活発です。こうした立地を活かし、ラボ系 の授業では、ChicagoベースのStartupをクライアントにコンサルティングの実地経験を積むことも可能です。また、Hyde Park Angelというエンジェル投資家とシカゴ大学がジョイントで運営しているファンドもあり、インターンをすることもできます(かなりの倍率ですが)。授業以外にもCoffee Chatなどのでアルムナイやシカゴベースの起業家と話すことや、教授や友人の紹介でインタビューに行ったり、と貴重な経験ができました。普段忙しい起業家にふらっと話を聞いたりビジットできるのは、勿論シカゴ大学の知名度やネットワーキングもありますが、やはり徒歩圏内にスタートアップがある、という立地のベネフィットが大きいと思います。

c) 授業のフレキシビリティー×クオリティー
Chicago Boothの素晴らしさは幾つもありますが、授業は(アントレ系統に限らず)本当に素晴らしいです。正直日本の学部時代の授業は殆ど一科目も記憶にないですが、Chicagoの授業は一回一回が本当に楽しみでした。結局、色々な科目を取りすぎて卒業単位を大幅にオーバーしてしまいましたが、それでも学び足りないくらい素晴らしい科目が詰まっています。

アントレに絞ってみても、Building The New Venture(what’s your story? の著者であるCraigも教授陣の一人), New Venture Strategy(超人気授業)、Private Equity & Entrepreneurial Finance (Kaplan)など仮想ビジネスやケースを使ってアントレの全体感を学ぶコース、前述のように実地でコンサルをするLab、Entrepreneurial Selling(起業家のセールスに重点を絞ったコース、コールドコールなどの仕方まで学ぶ)、The Internet Startup(アルムナイであるGrouponファウンダーによってファシリテートされる)などの各論、が多く提供されており、1年生の1学期から興味に合わせ自由に選択できます。(余談ですが、Chicagoは、実務とアカデミックが融合した数少ないビジネススクールでもあり、Tax Strategy(起業やM&Aにおけるタックススキームを学ぶ、恐らく世界のMBAで唯一のTax にフォーカスした授業)のようなマニアックな授業が毎回満席だったことには、軽いショックを覚えました)

d) New Venture Challenge
コンペティションも盛んでWhiteboard Challengeのようにアイディアベースでのコンペティション、Case Challengeのような課題解決型のコンペなど様々ですが、やはりChicago Boothの看板はNew Venture Challengeだと思います。アントレ教育の世界で最も有名な教授といっても過言ではないKaplan によって運営されるビジネスコンペは、既に20年近く開催されており、これまで65社が総額$200M近くのFundingを受けています。他のコンペは準備期間1週間から1ヶ月程度のものが殆どですが、NVCは書類審査に始まり、最終プレゼンまでで半年近くかかり、そのため2年間丸まるかけて参加するチームも少なくありません。2次審査まで通過するとKaplanとRudnickのファシリテートによる授業に参加できますが、授業では毎回20名近い審査員(殆どが起業経験者か投資家)が各チームのプレゼンに対して質問を浴びせ続けられます。コンペの優勝の有無はある意味では目的ではなく、こうした投資家とのやりとりからの学び、ネットワーキング、Trial & Errorの繰り返し、プレッシャー(教授も投資家も真剣なので、サボると容赦ない)は、他の授業では経験できない部分です。2次審査まで通過するのも結構な倍率で(30/100チーム)、このレベルになると殆どのチームが実際に起業を考えており、他のチームから受ける刺激も強烈です。「(理想系を描いた)ピクチャーではなく、客と金の匂いのするリアルなビジネス」をモットーにしているコンペだけあって、カスタマーを開拓したり、パートナーを見つける、という実務プロセスが重要視されますが、教授や投資家に人を紹介してもらうこともままあり、意外な業界の大物に出会える可能性もあります。こうした経験は、さすがに他の授業では味会うことが難しい部分であり、参加して本当に良かったと思います。

最後に
最後に2年間の留学の締めくくりをして終わろうと思います。

今にして思うと、2年前Boothに来た時は、MBAで何かが変わる、という淡い期待を抱いていたような気がします。でも、2年間という時間、キャリアを中断するリスク、2千万円近い出費、は本当に莫大な投資であり、MBAがその投資に見合う価値かどうか、ということについては良く考える必要があると思います。実際、MBA取得者の数は年々増え続け、Business Educationを提供する機関も増え続けている(ビジネススクールだけでなく)中、MBAをレジュメに載せておくこと自体の価値は下がり続けていると思いますし、MBAを取得したからといって何かができるようになる訳でもないし、ましてや成功を約束するものでは無いと思います。

しかし、MBAに投資した価値があったかどうか、と言われれば、答えはYesだと思います。2年間毎日が刺激に溢れいた、というのは中々ないことだと思います。今振り返ってみても、無駄にした日は一日たりともなかった気がします。中でも、スタディーグループのメンバーと本気で喧嘩してしまったことは(今となっては)良い思い出です。本音で青臭いことを言ったり、価値観をぶつけあうのは、ヒエラルキーのしっかりしている職場では中々難しいと思います。授業では、気づけばクラスで一人だけ反対意見で、恥ずかしさで意見を撤回してしまったことがありましたが、教授に”(せっかくのリーダシップの機会を自分から取り下げてしまったことに対して)Disappointed”だと言われたのは、(間違っていても間違っていなくても)自分の主張を伝えることの重要さを認識させてくれました。そして、2年前は無意識のうちに国籍や言語を気にしながら相手と接していた自分が、相手の国籍を問わず、胸を開いて飛び込んでいけるようになったのも、これから国際社会で結果をだしていくための大きな財産になったと思います。空回りしがちな私の情熱(?)に答え続けてくれたChicago Boothの充実した教授陣、Harry DavisやStacey Koleを始めとするDean達、そして愛すべきクラスメート達に感謝したいと思います。

2年間を振り返って

2年生のKOです。早いもので長いと思っていたMBA生活も後1ヶ月を切ってしまいました。今回が恐らく個人としては最後の投稿になると思いますので、2年間で印象が強かったイベントをランキング形式で紹介したいと思います。

5位:ランダムウォーク(MBA開始前)
どこのMBAもあると思いますが、MBAの開始前にクラスメート10名程度と1週間程度、旅行をするというイベントです。MBAでは数え切れない程の失敗や挫折体験をしましたが、この旅行はその一発目と言って良いでしょう。そう、英語と米国カルチャーへの理解というワン・ツーパンチです。過去27年間をニッポンで育ってきた私ですが、仕事では英語を使っていましたし、TOEFLとかGMATとか勉強してきた訳で、英語は下手かもしれないけど、使え無い訳は無いのです。少なくとも聞けない訳は無いのです。いや、無かったのです・・・

詳細は大体想像が着くと思いますので割愛しますが、今後2年間頑張ろうという固い意思と若干の開き直りを与えてくれたいい機会でした。また、その後の2年間を過ごす上でこの旅行のメンバーには助けられましたし、友人を作るという意味でも意義深い旅行だったと思います。

4位:米国企業へのコンサルティング経験(1年秋学期)
初学期にBusiness Solution Groupというクラブの活動で行った、米国の大手電気メーカーのコンサルティングプロジェクト(新規事業検討)です。元々、バックグラウンドがコンサルティング業界だったため、プロセス自体は目新しいものでは無かったのですが、組んだメンバーが行動心理学系現役PHDのイスラエル人、社会経験無し米国人、マーケティングバックグラウンド米国人、事業会社での業務管理系の経験のあるブラジル人という国籍、スキルセット共に多様なメンバーでした。

全く興味や関心が違うメンバーとヒエラルキーが無い中での案件でしたので、プロジェクトの進め方や分析の切り口等、咬み合わない事が多く、序盤はかなり疲弊しました。MBA生活の中ではよくある場面なのですが、コンサルティングという自分がイニシアティブを発揮出来る分野で、早い内に経験をしておいて良かったと思います。こういったヒエラルキーの無い中での協働の仕方は、部下をモチベートさせる場合に近く、試行錯誤しながらでも案件を進めていけたのは勉強になりました。結果としても、クラブ内で10数プロジェクトある中で最優秀案件に選ばれ、クライアントも満足して大成功の案件でした。

ただ、最終報告の内容に満足したクライアントが、ディナーと1台数万円するミキサー(自社製品)をメンバー全員にプレゼントすると言っていましたが、それはまだもらってません。いつか請求したいと思います。

3位:イタリアへの交換留学(2年冬学期)
寒いシカゴを脱出するためだけに申し込んだ交換留学です。結局、欧州を歴史的な寒波が襲い、シカゴは歴史的な暖冬だっということで当初の目的は果たせませんでした。ただ、欧州旅行や学校で知り合った人から学ぶ事が多かったように思います。日本で居る時は海外といっても米国人との接点が多かったですし、キャリア観や生活観について欧州的な捉え方をする友人が少なかったため、欧州では新鮮な出会いが沢山ありました。

私が出会った人達が特にそうだったのかもしれませんが、キャリアとプライベート(家族との生活は勿論、自分の趣味等)のトレードオフの考え方や、自分の国の民族・文化に対するプライドの高さなど、彼らの価値観は非常に興味深かったです。

2位:学校での勉強(全般)
MBAの授業に関しては正直あまり期待していなかったのですが、完全に読みが外れました。相当充実していました。
やはり、マーケティングや企業戦略系の授業は過去の業務経験で何となく知っていた事だったので、驚きは無かったのですが、ずっと勉強したかったコーポレートファイナンス系の科目をしっかりと勉強出来た事、過去に全く触れて来なかったマクロ経済学の内容がかなり面白かったです。

特に今とっているKashyap教授のThe Analytics of Financial Crisesという授業は2年間の中でも1位にあげてもいいくらい学びの多い授業になっています。授業内容は、世界大恐慌から始まり、日本のバブル崩壊、米国金融危機、直近の欧州危機まで過去の金融危機の原因や取られた施策について学ぶものなのですが、特に欧州危機についてはリアルタイムで状況が変わっていますので、日々のニュースや政治動向についても注意を払う様になりました。毎回数百ページに及ぶ事もあるリーディングと難解な宿題に半泣きで取り組んでいますが、取って良かったと思っています。

1位:インターン・就職活動
他も学びの多い事ばかりだったのですが、夏休みのインターンや就職活動はMBAならではの素晴らしい経験だったとおもいます。新卒で何も分からず就職をして、その後は何をしたいかというよりも、何が出来るか(マーケットで転職する際に使える・高く売れるスキル)と言うことを中心でキャリアを考える事が多かったのですが、MBAに来て、インターン(投資銀行とコンサルでしました)をしたり、様々な業界の方の話を伺ったり、多くのオプションを前にした時に、自分として何を将来成し遂げたいのか、どの環境が自分にとって一番Comfortableなのか、と言うことを考えるようになりました。

日本の場合は特に、勤務時間が長くなる傾向があるので、キャリア選びは家族との関係(まだ独身ですが)や自分の趣味等、自分の価値観をもう一度見つめ直すいい機会になったと思います。授業内での擬似起業体験なども含め、2年間ずっと考えてきた結果、卒業を前にして自分が進もうとしている方向は完璧に理想に沿うものではないかもしれませんが、少なくとも納得が行く決断が出来たと思っています。

2年間は短くあっという間ですが、人生の中で素晴らしく充実した期間になると思います。授業料や機会費用を考えると、金銭面でのリターンはあまり大きくないかもしれません。また授業で習う事は、MBAに来なくてもインターネットや書籍から学べる事も多いと思います。それでも、もう時計の針を戻してMBAへいくかどうか問われるならば、迷わずMBA進学を選択すると思います。

日本で育ってきて、大学に進学して、会社に入って、転職を考えたりして、過去にも沢山決断をしてきました。ただ、その中でしてきた進路決定は、何か時間的な制約や流れの中で背中を押されながらしてきた様な気がします。このシカゴに来て2年間一度流れをとめて、ゼロから今後の事を決定していくのは、自分が思っていた以上に重たい決断でしたし、それ以上にワクワクできて楽しかったです。それでは、後1ヶ月、シカゴは天気の良い日が続く事を願いながら過ごしたいとおもいます。さようなら。

Boothでの履修授業まとめ

2年生のTIです。Time fliesとはよく言ったもので、卒業まであと2ヵ月を残すのみとなりました。
そんなタイミングなので、卒業された先輩も以前このブログで紹介されてましたが、私も履修した教科のまとめを。
※Boothでは全員必修のLEAD program以外に2年間で20科目の単位を取得する必要があります。授業の系統は複数の分野に跨っているものもあるので、下記は当方個人的なGroupingです。・Management系 3科目
(Decision making、Corporate Governance等)
・Strategy系 3科目
・Marketing系 2科目
・Corporate Finance/Investment系 6科目
(Corporate Finance、Tax strategy、Private Equity等)
・Accounting系 2科目
・Economics系 2科目
(マクロ経済、ミクロ経済等)
・Lab(Experiential Learning)系1科目
・その他(Statistics) 1科目
合計 20科目
Concentrations:Strategic Management, Finance, Entrepreneurship

MBAではManagement positionへの基礎固めとしてのManagement/Strategy系skill、及びなかなかOJTでは学べないM&A、Corporate Finance、ValuationのSkillをCoreにしつつ、偏らないようそれなりに幅広く学びたいと考えていました。投資系/Finance系の科目がややHeavyな形となりましたが、当初の目的をそれなりに達成したと思います。

Finance系はChicago Boothの代名詞の一つでもあり、幅広い授業選択Option、優秀な教授陣と非常に充実していました。純粋に授業は面白く、Hard skillで忘れにくく、卒業後すぐに使えそうだなと実感することが出来、満足しています。
一方でManagement、Strategy系の授業も相当充実しており、「あ、これも面白そう。お、これも面白そう」という感じで履修していたら、日本ではあまり認知度が高くないように思いますが、Chicago Boothのもう一つの強みである“Entrepreneurship”のConcentrationを取ることになりました。
(Strategy系は大企業のみならず、Start up企業を扱う授業も多かった為。)

FlexibleなBoothのカリキュラムゆえ、上記はあくまで当方一個人の一例であり、各生徒のCareer goalによって、履修科目は本当に人それぞれ千差万別です。
私にとってこれがベストな授業選択だったかと問われると、正直分からないですが、本当に自分が学びたいものを学び、かつバランスよく色々な分野をカバー出来たという点で満足度は非常に高いです。またこれが出来るのはChicago Boothならではと実感しています。

このAcademicな面でのTake awayも勿論大きいですが、それと同じぐらいに世界中から集まった優秀な友人達とのNetwork、彼らと楽しい時間を過ごしたアメリカでの経験等も非常に大きな財産となっています。
留学前に想像していたより本当に視野が広がりました。
このMBA留学は私にとって、「Careerの幅を広げる」というよりは、「人生の幅を広げる」経験になると思います。

残り2ヵ月、悔いの無い学生生活を送れることを祈りつつ、今回はここまでということで。

Booth Japan Trip 2012 を終えて

(Part 1)

1年生のHMです。たった一週間のブレークを終え、春学期が始まりました。そして、その一週間のブレークはJapan Trip 2012にトリップリーダーの一人として参加してきました。以前Wさんもブログ(http://chicagoboothjapan.blog89.fc2.com/blog-entry-84.html)で触れましたが、今回はそれを終えて少し振り返ってみたいと思います。

終わった感想は、「楽しかったけど疲れたー、でも本当にやって良かったぁ」です。ありふれていますが、これに尽きます。また、特段トラブルもなく、すべてが順調でした。他のトリップリーダーの方々、参加者、Booth卒業生の旅行代理店、みんなに感謝です。ありがとうございました。また、何より、日本が大好き!とみんなが思ってTripを終えてくれたことは本当にやって良かった、と思います。将来出世するであろうビジネスマンの間に親日家が拡がったなんて考えると、長期的にもとても有意義な活動だと改めて思ったりもします。

さて、今回は参加者の上限を絞り、学生とパートナーで40人強が参加し、京都、広島、大阪(大阪と広島はどちらかのオプションで参加者が選ぶ)、箱根、東京を1週間で回りました。BoothのJapan TripはFunのみで、箱根ではイチゴ狩りが入るなど他のMBAスクールとはまた違ったものかと思います。しかし面白いことに、このイチゴ狩り、外人にはとても好評でした。旅行代理店曰く、毎年好評なようです。不思議ですね。

大変なことについて少し触れますと、まずは食事です。メンバーの中には、ベジタリアンやポークの食べられない方、アレルギー持ちの方などいて、食事には気を使います。ただ、それでもそれぞれ日本の食を楽しんでくれていたようで、この辺、日本の食の幅広さ奥深さを感じます。次に、東京築地市場ありつつの六本木夜遊びというハードなスケジュール。もちろんこの大変さ含めてみんなでわいわいと騒ぎながらのTripはとても良い思い出です。

具体的な話で築地について少し触れたいと思います。築地のマグロの競りは外国人観光客にもの凄い人気を誇っています。朝5時からで、入場制限は120人(60人+60人と二つのグループに)で、ほぼ毎回いっぱいとなり、僕らの行った日も5時前に当然締め切りになっていたようです。私は3時半に起きて、4時過ぎには築地についたところ、5人くらいしかまだ来ておらず、無事参加することができました。ただ、いくつかのMBAスクール(MIT, UCLA, Berkeley)が重なった日もあったようで、その時は参加できなかった人が多数だったようです。朝早く起きて参加できず、、、悲惨ですね。マグロの競りの後は、市場内で私のお気に入りの寿司屋大和に行ったのですが、みんながみんな感動していました。何人かは次の日の朝や日本発つ前にまた来るといって実際にまた行ったようです。なんだかこういうのはとっても嬉しかったりします。シカゴでも寿司は食べられますが、やはりあの新鮮でとろけるような大トロの上手さをリーズナブルに食べられるのはここ築地だけだと思います。私自身もとても行けて本当に良かったです。

とまー、自分自身も楽しみながらのJapan Tripを終えて、書くことはいくらでもあるのですが、今回はこの辺で。

(Part 2)

二年生のKHです。前回書き込みのHMさんと同様、春休みにトリップリーダーの一人としてJapan Trip 2012に参加してきたばかりなので、今回はそれについて書きたいと思います。トリップの詳細については、既にHMさんが説明されているので、ここではそれ以外について書いてみたいと思います。

今回、Japan Tripを引率して一番良かったと思うことは、日常のBooth生活では知り合うことが難しい学生たちと、「日本というネタ」を使って仲良くなれたことだと思います。ネットワーキング機会が満載のMBA生活とは言っても、一度授業や就職活動が始まると、自分と同じ興味対象を持つ学生以外と知り合う機会が限られてくるように思います。また、そういう機会があったとしても、共通の話題が少ないので会話もあまり長続きしません。また、自分と「同類」の学生同士であったとしても、話題は必然的に経済や金融、就職活動の話に偏りがちになる気がします。正直、たまに息が詰まります。

そんな中、学校や職場のことを完全に忘れ、童心に帰って将来のビジネスリーダーたちと一緒に時間を過ごせる機会は非常に貴重なものだと思います。実際、多くの学生が「他参加者との友情を深める」目的で当トリップに参加しているように感じました。そういう意味では、学校が始まる前に実施されるランダムウォーク旅行とも似ているのですが、今回は数少ない日本人トリップリーダーとして良くも悪くも頼りにされまくるので、必然的に多くの参加者と関わることになります。

HMさんも書かれたように、トリップ自体は大きなトラブルもなく、参加者には日本を大満喫してもらえたのかなと思います。当トリップを通じて、あらためて日本のコンテンツ力を実感することができました。個人的にいろいろと旅行をしてきて思うのですが、日本という国は他主要観光国と比べてもまったく引けを取らない国だと思います。マーケット風に言えば、観光という観点からは相当Undervalueされているように感じます。

これですべてを終わりにするのではなく、このトリップをきっかけに、将来のビジネスリーダーたちに少しでも日本を贔屓目に見てもらえるような仕組みをこれからもいろいろと考えていきたいと思います!

(Part 3)

二年生のWです。さて、連載のような形になってしまいますが、私も春休みにトリップリーダーの一人としてJapan Tripを引率してきたので、今回もそれについて書こうかと思います。大まかな感想は、前々回のHMさんの投稿及び前回のKHさんの投稿と同じです。本当に疲れたけど本当に楽しかったし、この旅行を通じていろいろな学生と友人になる貴重な機会を持てたと思います。これらの感想に加えて、以下のようなことをつらつらと思ったりしました。

>• 日本は観光資源という観点からは魅力的な国である
前回のKHさんの感想にも似ているのですが、日本は様々な観光資源を持った魅力的な国だと思いました。今回のトリップの参加者の興味は、日本の伝統文化(寺社仏閣、伝統芸能)、ナイトライフ(クラブ、カラオケ)、アニメ、食事、温泉、スポーツ等々、本当に多岐に渡っていたかと思います。そんな多様なニーズを満たせる国はあんまりないと思われますし、かつ安全だというのも大きな魅力の一つだと思います。もっと英語が広く通じれば(英語が話せる店員さん、英語メニュー、英語の説明)、観光という観点からは本当に申し分ないと思います。

>• 自分はそんな日本についてまともな知識を持っていない
とまぁ、日本は色々と見どころの多い国だなと思ったのですが、自分はそんな日本について参加者にまともに説明できる知識を持ち合わせていなかったのが痛いところです。今回のトリップでは、京都、広島(or大阪)、箱根、東京、鎌倉に行きました。旅行のなかでは、必然的に、訪問地のことから、ひいては(旅行とは全く関係のない)日本の政治・経済システムに至るまで参加者から色々な質問をされます。たとえば、厳島神社は何を祀っていてどのような点で重要な神社なのか?、能、狂言、歌舞伎の違いは何なのか?、という質問から、日本の首相は何ですぐに変わるのか?という質問まで。。。
これらに限らず、普段は日本人として当たり前に思っているようなことも質問されたりしたのですが、答えられないことがほとんどでした。こういうことって、実は小学校とか中学校で習っていた知識がほとんどだったりするので、小さい頃に学んだことってこういうときに重要になってくるんだなぁ、と実感したりもしました。また非日本人を日本に案内するときのために、ちゃんとした知識を入れておかないとと思っています。

このブログの読者は、MBA、そしてBoothに興味を持たれている日本人の方々がほとんどだと思います。MBA(願わくば、Booth!)に入学された暁には、是非、このJapan Tripのようなイベントに携わることを強くお勧めします。MBAのうちにしかできない貴重な体験ができるはずです!!