Chicago Booth Summer Business Scholars Program (SBSP)

Chicago Boothは日本において主にFull-time MBA, Executive MBAプログラムが知られてますが、学部生・若手プロフェッショナル向けの短期プログラム(Summer Business Scholars Program)も存在します。

夏休み3週間の間に、ビジネスの基礎知識、分析手法等といった、実践的な教育を受けることが可能なプログラムです。また、同時にChicago Boothのコミュニティに触れることもでき、シカゴに住む経験を得ることができます。
プログラム修了生は、ゴールドマン・サックス、グーグル、マッキンゼー等の会社で勤務している人もおり、中にはChicago BoothでMBAを取得した人もいます。

詳細はこちらから。
(2018年夏のプログラムに応募する場合、Round 3の期限は4/10です)

GBC (Graduate Business Council) Board Member Election

1年生のざきやまです。
今回はGBC (Graduate Business Council) Board Member Electionについて書きます。

まず、GBCというのはいわゆるChicago Boothの生徒会です。

1年生は、入学時に各60人ずつのコホートと呼ばれる10クラスに分かれるのですが、各コホートからPresidentとRepresentativeという学級委員長/副委員長を選挙で選出し、その各コホート2人×1学年10コホート×2学年=40名がGBCのコミッティメンバーとなります。

GBCの主な役割としては、Chicago Boothの各Clubやイベントへの予算の割り当て、各種イベントの企画・実行(Random Walk、LPF、Winter Formal、Kelloggやシカゴ大学内他Schoolとの共同イベント、International系イベント等は全てGBCの主催です)、DeanやAdmissionとの定期的な意見交換、等を行います。

Booth生間の絆の強化のみならずシカゴ大学内の他のSchoolとの関係を強めたり、学生生活を有意義なのものにしたり、教授との交流イベントを増やしたり、とMBAプログラムの運営側の立場から様々な提案・実施を行い、色んな仕掛けをしていく立場となります。従って、いわゆるMBAの利用者側からは見えない裏側事情が見えてきたりと、なかなか興味深いです。因みに私はコホートのPresidentとして2017年10月よりGBCのコミッティメンバーとなっております。

GBC Board Member Electionというのは、GBC全体を取り纏めるBoard Memberを決める選挙です。尚、この選挙はスレートと呼ばれるチームで立候補する形式になっています。スレートは最大6人迄で、スレートメンバーは必ずしもGBCコミッティメンバーでなくても構いません(但し、当然コミッティメンバーがいた方が望ましいです)。選挙公示がされた後、約3日間の選挙戦を経て、オンライン投票という形になります。

選挙告知は1月20日なのですが、2017年年末位から候補者達が水面下で動き始めます。この頃から私も数人に出馬を打診され、マイケルとマナリという米国人と、フアンというコロンビア人と4人でスレートを構築し始めました。最終的には写真の6名で立候補したんですが、米国でのDiversityの重要性には驚かされました。まず男女3:3という比率は絶対、人種の多様化も必須、その上で投票をお願いする友人グループが可能な限り重複しない様に工夫してスレートメンバーを決定しました。投票権のある2年生と仲の良い人やLGBT(レズビアンやゲイの同級生)に打診したこともありました。

立候補した6名

立候補した6名

スレートを組むと、次は選挙に向けてのマニフェスト作り。今のBoothの問題点、理想のBooth像、それを実現する為の現実的な施策、を何度も議論しました。各メンバーの役職も決め、ポスター作成、ビラ作成、選挙期間中のコストアロケーション等も決め、選挙公示に向け準備を進めました。この頃から他の立候補スレートの噂も広がり、我々を含めて3スレートが立候補する事が分かっていました。立候補するスレートが出揃ったら、スレート関係なく皆で飲みに行って、一緒に選挙戦を盛り上げようと誓いました。

マニフェスト

マニフェスト

いよいよ、選挙公示の日、ミーティングに集まったのは2スレートでした。12月〜1月というのはリクルーティングのピーク、従って1スレートは立候補準備が間に合わなかったのでキャンセルしたとの事。我々も忙しいスケジュールの中睡眠時間を削って準備していました。選挙戦が始まると、両スレート共キャンパス内にテーブルを置き、そこにコーヒーやドーナツを置いてビラを配り、自分たちの夢を語ります。ライバルスレートはなんとマッサージ師を雇って無料マッサージを提供していました!(贈賄にならないのか不明です)。彼らはメンバーも強力で、各方面でリーダーシップポジションを取りつつポピュラーなメンバーを揃えてきており、なかなかの強敵です。ここで面白かったのが、選挙戦中両スレートが非常に良好な関係だったということです。日本の選挙戦やドナルドトランプの様なネガティブキャンペーンは一切なく、学生へアピールする際も「我々、両方ともBoothを良くしたいという想いは一緒だから!」という言い方をするんです。そして、隣のテーブルでキャンペーンしていても常に仲良く相手のドーナツ食べたり、ハグして笑顔で話して盛り上がっていました。相手を否定するのではなく、どちらのスレートも同じ想いだと明言し、相手の良い所を認めた上で、自分達のプラットフォームで出来る事、熱意を伝えるという選挙戦に、「必勝!」と殺気立っていた私は肩透かしをくらった気分でした。

選挙戦の様子

選挙戦の様子

結果は、あと一歩及ばなかったものの、極めて僅差の戦いに敗れてしました。しかしBoard Memberではないものの、引き続きGBCメンバーとして彼らと一緒にBoothを良くしていく思いは同じです。また、勝ったスレートから「君たちの想いも可能な限り実現させたいから、今度共有する場を作ろう」と提案されています。これも選挙戦中は敵であったとしても、結局Boothの同じ仲間としてのサポーティブなコラボレーティブカルチャーを表わしてるかと思います。

ライバルスレートのプレゼンテーション (新任した生徒会長のインタビュー記事はこちら)

ライバルスレートのプレゼンテーション (新任した生徒会長のインタビュー記事はこちら)

Chicago周辺の日本人研究者による研究交流会

シカゴでは学校のイベント以外でも日本人と交流することが可能です。
先日、Chicago周辺の日本人研究者による研究交流会 (Japanese Researchers Crossing in Chicago: JRCC)に参加しましたので、簡単にレポートしたいと思います。

会の趣旨として、シカゴ周辺で研究を行っている大学院生・ポスドクの方の研究内容を聞くと同時に、親睦を深めるのが挙げられます。多くの参加者は研究職に就いていましたが、それ以外にも企業に勤務している方やパートナー等もいました。
今回は3人が、それぞれ以下トピックについて話されました。(結構専門的な内容で、話についていくのに苦労しました。。。)
・量子コンピューター
・抗がん剤 (発表者は四ツ谷でバーを経営してるのこと)
・量子重力

普段授業・課外活動・就活で忙しい中、こうした話を聞くのは中々ないので、非常に面白かったです。
年3-4回開催されるのことで、また機会があれば是非参加したいと思ってます。

Sake Tasting with Sushi

こんにちは。2nd Roundのインタビュー準備でお忙しいところでしょうか。今回は柔らかい話題でリラックスしていただければと思います。

先日、Japan Club(日本人や日本に興味のある/日本語が話せるBooth生が所属)とWine Clubの共催で、Sake Tasting with Sushiなるイベントを開催しました。Wine ClubがOutreachとして世界のお酒のテイスティングイベントを開催する中で、日本酒に関しては知識がないのでということでJapan Clubメンバーに白羽の矢が立ったという経緯です。日本が食文化の輸出に力を入れる中、シカゴでも日本食レストランが人気を博しており、イベント前からも日本酒や日本の地ビール、シカゴでオススメのラーメン屋等に関して同級生から質問攻めされるということも頻繁にありました。そんな中、今回は日本の文化を発信する非常に良い機会となりました。

共催と言いつつ、プレゼン準備、仕入れ、当日の運営は全てJapan Clubメンバーで行いました。特に仕入れは、アメリカで日本酒が浸透しつつあるといえど小売店での扱いは少なく、また様々な規制に直面し難航しました。特に予想外だったのは、他州のアルコール販売業社からイリノイ州の消費者へのimported liquor shipmentの禁止でした。これは日本酒だけでなくワインやスピリットにも当てはまるようで、いくつか記事を見ていると、The liquor industry’s wholesale sector (of Illinois *筆者注) has long bristled at out-of-state retailers’ ability to sidestep the traditional “three-tier” manufacturer-distributor-retailer chain and market directly to consumersというような表現もあり、どうやら州内販売業者の保護が規制の背景と推察されます。おかげで、せっかく見つけたオレゴン州やニューヨークの通販業者からの仕入れは断念せざるを得なくなりましたが、このイベントを担当しなければ知り得なかったであろう規制を学ぶ機会となりました。

最終的に、郊外の日本食スーパーにお願いし、日本でも馴染みの月桂冠、八海山、浦霞、獺祭を60人分仕入れ、当日は日本酒の生産工程や基礎知識をプレゼンした上で、テイスティングや利き酒を通して同級生に日本酒を紹介しました。

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プレゼン後にシカゴ市内で日本酒が飲めるお店や日本食の美味しいレストランに関して質問があったり、気に入ったブランドのラベルを写真に収める人がいたりと、日本の食文化に関する関心の高さが伺えました。日本の食文化の発信のみならず、同級生の繋がりを広げ、また深化させるという意味でも、充実したイベントとなりました。

Healthcare Trek

Genentechでの集合写真

Genentechでの集合写真

こんにちは、1年生のTHです。みなさんいかがお過ごしでしょうか。シカゴは冬まっさかりで、シカゴ川が凍っています。今年は例年以上の寒さとのことで、日によってはマイナス20℃くらいの日もあります。一方で、雪は少ないので、交通に支障が出たりしないのはいいところです。

さて昨年末にHealthcare trekに参加してきたので、内容をレポートします。
各プロフェショナルクラブが年に1回程度、リーディングカンパニーを回るTrekを開催しますが、BoothのHealthcare trekは秋学期終了後の12月半ばに行われています。同じタイミングで、Tech trekもあり、そちらはマイクロソフト、Amazon、Googleなどを訪問したとのこと。

Healthcare trekでは、13社を訪問してきました。Healthcare trekの目的はリーディングカンパニー、イノベーティブカンパニーを訪問し、先端の技術や事業について学ぶというラーニングの機会で、各社で対応してくれた役員の方たちも非常に丁寧にテクノロジーについて説明してくれました。

初日はシアトルに滞在し、創薬系の会社を訪問。はじめにCascadian Therapeuticsというがん領域でPhase3のパイプラインを持っており規模として60人程度の会社。Cascadianは既にPhase3を終えて上市承認申請の段階に差し掛かっており上市に向けた営業機能の拡張をしているため会社的には非常に忙しいタイミングにも関わらず、CEOのScott Mayersが卒業以降疎遠になってしまっていたChicago communityともう一度繋がりたいという強い思いを持って歓迎してくれました。(シアトルでの他の会社への訪問もScott自らがコーディネーションをして訪問先に話をつけてくれたり、またCasacadianを訪問した際にはManagement teamがほぼ全員揃って我々と2時間程度時間を使ってくれるという歓迎ぶり)CascadianのパイプラインはHER2というバイオマーカーが発現している乳がんのうち脳転移が疑われる乳がん(brain metastatic HER2 positive Brest cancer)を対象としており、既に上市されている抗癌剤とのコンビネーションで用いるという方法での上市を狙っています。がん領域は大企業も含めて新薬開発の競争が非常にシビアなので、ターゲットの適応症を細かく設定して承認を取りにいくという流れの一例ですね。

また、同じくがん領域での開発をしていおり免疫治療のリーディングカンパニーであるJuno Therapeuticsを訪問。Junoは2017年に新しい自社ビルを立てて入居したばかりで、研究環境としても非常によく、ビルの中にもジムがあったり、オープンスペースが豊富で、研究者たちが活き活きしていたのが非常に印象的でした。またJunoと関わりがある他の癌領域のスタートアップやVCもミーティングに参加してくれたため、非常に活気がある訪問になりました。シアトルで近い分野で事業を行っている会社がエコシステムになっており、常に意見交換したり、技術提携も積極的に行っているようです。実際、Junoが使っているCAR-T技術では患者から取り出した免疫細胞を加工して機能拡張した後に体内に戻すのですが、細胞を加工する段階で遺伝子編集や抗原タンパク質の発現など複雑かつ多種の編集過程が必要であり、他社と積極的にコラボレーションし技術を積極的に取り入れているとのことでした。

次の日は西海岸に移り、Intuitive Surgicalを訪問。IntuitiveはDa Vinciと呼ばれる複数の手術アームがついた手術支援ロボットを開発している会社で、Da Vinciは世界各国の医療現場で既に使われています。特に腹腔鏡手術でも届きにくい内部の手術に用いられているそう。デモ機を実際に触らせてもらいロボットを動かすことができたのですが、アームの先についているカメラを通してアームの先の映像を3Dで見ることができ、かつ、非常に直感的な操作でロボットを操作できました。説明してくれたBooth卒業生からは開発段階の苦労(開発当初は外科手術で行う全ての機能をアームに搭載して自動化したものの、ユーザーである外科からのフィードバックを通して、成否を分けるステープリング機能を手動にしたなど)裏話も聞けました。

Da VInci

Da VInci

Da Vinci demo

Da Vinci demo

また、西海岸ではGenentechを訪問することができました。GenentechはSouth San Franciscoというバイオテック企業がクラスターになっているエリア(23andMeAmgenもあります)に巨大な敷地を持っており、敷地内には大きな自社ビルが10以上あり大学のキャンパスの様にになっています。今回のTrekでは我々はBiologicsの製造施設を見学。巨大な細胞の培養タンクがずらっと並んだ様や、抗体の製造から精製のプロセスが自動化された系として繋がっている様はまさに圧巻。小規模の製造ラインを用いて、製造や精製の効率を上げるための研究も行われていました。

他にもヘルスケアVC、メディカルデバイス会社や放射線照射機製造会社など複数の異なる領域のリーディング企業を訪問することができ、ヘルスケアのイノベーションを自分達の目で見ることができる有意義な訪問になりました。