Beyond the classroom

MBAにおける課外活動(バスケットボール)

こんにちは2年生のNKです。本日はChicago Boothにおけるスポーツについて書かせていただきます。

MBAでの他の学生と関わる機会としては、授業やソーシャルイベントのほか、スポーツもあります。Chicago Boothの学生(Boothiesと内輪では呼んでます)の中にもスポーツ好きが沢山いまして、Student-led Groupsの中にはSportsだけでも11のクラブがあります。私はというとその一つ、Chicago Booth Basketball Club(名前はそのままですね)のメンバーです。

Chicago Booth Basketball Clubでは、週1-2回の練習に加え、冬の一大イベントであるBooth vs Kelloggの対校試合、年最大3回のMBAトーナメント参加、などを行っています。Chicago Booth Basketball Clubの活動ではありませんが、アジア系のRegional Groupsが中心となって行うKelloggとの交流試合も年2回ほどあります。

以下、写真とともに各活動をご紹介します。

Booth vs Kellogg(於:United Center)

同じ中西部のライバル校として、Kelloggとの一戦はMBA全体でも盛り上がります。なんといっても、NBAのChicago Bullsの本拠地であるUnited Centerを借りて、Bullsの試合の前座試合として争う、力の入りようです。200人以上のBoothiesが応援に集まり、対校試合を楽しんだあとは、Bullsの試合を観戦する流れとなります。

MBAトーナメント

毎年、UCLA、HBS、Georgetownの各校でMBAトーナメントが行われます。各回、15チーム以上が参加し、MBAのナンバーワンを争います。上記Kelloggとの試合と同様、プライドをかけて戦うので、試合そのものは非常にintenseになります。(写真はHBSでのトーナメントの集合写真)

アジア人によるBooth vs Kellogg

Booth、Kellogg双方のアジア系のStudent-led Groupsが中心となり、交流試合を行っています。こちらはアジア人のみの参加となりますので、日本人の活躍の機会が若干増えます(笑)。バスケットボールを楽しんだあとは、Mixerを開いて親睦を深めます。

Chicago Booth Basketball Clubでは、以上のとおりガチンコの試合もやりつつ、みんなが楽しめるゲーム形式の練習などを運営しています。MBAに入った後の楽しみの1つとして、スポーツはいかがでしょうか?

Follies

2年生のOです。

毎年行われるFolliesという行事でChicago Boothコミュニティの雰囲気をよく捉えたビデオを同級生が作成しましたので、当校へのアプライを検討されている方は是非Youtubeでご覧になってください。

ビデオのタイトルどおり、MBAでの2年間というのはそれまでの人生の中で最高に充実した日々になるはずです。アプライ前はどうやってファイナンスするか、自分の人生にとってどんな意味を持つ経験になるか悩み、アプリケーションの準備中はスコアメイク、エッセーの書き方、インタビュー対策で苦労し、合格後は渡米準備に翻弄、入学したら文化の違いや言葉の壁で不安やもどかしさを感じることでしょう。

そういう障害を乗り越えた先には知的好奇心を刺激してくれる教授、新しいことに挑戦してリーダーシップを発揮する機会、学校生活が円滑に過ごせるように様々なサポートをしてくれるスタッフ、そして何より一緒に人生の波を乗り越えていく生涯の友との邂逅が待っています。自分の心に正直にかつ冷静な分析と判断で人生の進路を決めて行ってください。

ご質問等ございましたら、いつでも当ブログのフォームよりご相談ください。

2年間を振り返って〜Boothの良さ

2年生のAです。時の流れは早いもので、もう卒業の季節になってしまいました。ビザと米国滞在書類を手に、はじめてシカゴの空港に降り立ったのがつい昨日のことのようです。今では、シカゴのダウンタウン、学校のあるハイドパーク、空の玄関オヘア空港、いずれも家のように馴染んでいます。

MBAでの私個人としての学びについては、私のブログのこちらの記事こちらの記事に書いたので、関心のある方はご覧になって下さい。

この投稿では、先日の投稿でも触れたシカゴMBAの特徴について、最後にまとめてみたいと思います。

2年間を経て、シカゴの特徴をできるだけ簡潔に表現しようとすると、次のようになるのかなと思うようになりました。

カルチャー:Flexibility × Collaboration × Contribution
学びのスタイル:Discipline-based Approach to Business Education × Rigorous Quantitative Culture

まず、カルチャーですが、シカゴは自由な学校なので(詳細はこれまでの多くの先人の投稿をご覧下さい)、何か目標を掲げて主体性を持って自律的に取り組む人に向いた学校です。目標は、キャリアゴールでも、アカデミックなものでも、ネットワークを広げたいでも何でも良いのですが、とにかく目標が必要です。逆に言うと、何となくMBAに来て、まずは学校が用意してくれたプログラムの流れに身を委ねて、という人には向きません。それに加えて、「オレがオレが」ではなく、協調的に学校というコミュニティに貢献することが求められます。貢献もこれまた何でもよく、キャリアクラブのリーダーでも、パーティの企画でも、グループワークでの存在感でも何でもいいのですが、とにかく「私は私は」はダメ。まわりをみわたしても不親切な人というのを私は知らず、また私もまわりに困っている人がいれば出来るだけ協力するようにしてきました。

シカゴの学びのスタイルも特徴が明確で、シカゴは研究と理論の重要性を重んじ、それらをいかにプラクティカルな実務に役立つように応用できるかを考えて授業を練り上げている学校です。また、データを与えられて地味な分析とレポート作成を求められることもよくあります。ある友人が冗談で「この学校は、『どう議論するか』ではなく『どう分析するか』を学ぶ学校だから、仕事の世界でこれがどう働くか見てみよう」と言っていましたが(笑)、的を得た冗談だと思います。もちろん、Collaborationに重きをおくシカゴはリーダーシップやコミュニケーションの教育にも力を入れており、例えば私が最終学期に履修しているData Miningという統計の授業では、大量のデータを統計ソフトでプログラムを書いて分析するという渋い内容にも関わらず、週に平均して4時間はグループのメンバーとレポートを書くために打ち合わせをし、その後もメール交換をしてレポートを仕上げています(ソフトスキルを鍛えることに特化したカリキュラムや課外活動ももちろん多くあるので、それらについてはこれまでの投稿をご覧下さい)。シカゴはリーダーシップやコミュニケーションスキルを鍛える機会も豊富に提供してくれますが、とはいえ授業にアカデミックな雰囲気と計量重視の雰囲気もあり、これらが全くピンと来ないとちょっとツラいですよ、という話です。

Flexibility、Collaboration、Contribution、Discipline-based approach、Rigorous Quantitative Cultureと5つ特徴をあげましたが、これらすべてについて100%フィットしている必要はないと思います。ただ、これらのどれにもひっかからないとシカゴは合わないと思いますし、フィットすればするほどシカゴを満喫できることも確かです。私の場合、受験時にはFlexibilityの重要性には実はそれほど気づいていなかったのですが、入学後にはその意味がよくわかり、また自分には合っていると感じました。はっきりとは示しませんでしたが、入学時の審査でもFlexibilityを使いこなせそうかは見られていたのだと思います。

最後に、シカゴに対してはそのFlexibilityから「個人主義的で冷たい学校なのではないか」という誤解がよくあります。私も日本にいた時はそのような偏見を正直なところ持っていたのですが、最近はあるビジターの方に個人主義に関する質問をされるまですっかり忘れていました(笑)。特徴で述べた通り、シカゴはCollaborationとContributionを重視し「オレがオレが」はダメな学校ですので、生徒は親切な人ばかりで、個人主義で冷たいという見方は的外れです。これは、是非学校を訪問し、授業を見学して、感じて下さい。

シカゴはトップ校のひとつですが、学校としては時間をかけてさらなる高みを目指しています。シカゴは、自由な発想で何かを追求したい人のための学校です。シカゴの魅力を理解し、学校の歴史とブランドを作って下さる方が、多く入学してくださることを強く願っています。

2年間、お世話になりました。また、どこかでお会いしましょう。

MBAの価値(1年目を振り返って)

1年生のAです。早いもので、昨年の9月にオリエンテーションプログラムが始まってから9ヶ月が経ち、シカゴでのMBA1年目も終わりに近づきつつあります。入学当初の秋学期に比べて、冬学期と春学期は時間の経過を早く感じ、ああもう終わりかという感じです(2年生によると2年目は時間の流れがさらに早く、夏休みが終わると次の9ヶ月はあっと言う間だそうです)。

さて、春学期が終わると夏休みは長期でシカゴを離れブログが書けなくなるため、今回は少し早いですが1年間を経て今私が感じているMBAの価値について書いてみたいと思います。

1. ブランドを得てとネットワークを作る
ある授業で先生が「あなたはMBAに何のために来ましたか?」と聞いた時、最初に挙手した生徒の答えは「ネットワーク!」でした(その後、先生から「授業でしょ!」とつっこみあり)。しかし、MBAはキャリアアップ(同業界内でのランクアップか転職)のためのプロフェッショナルスクールであり、学校のブランドを得ることで世界で活躍する多様な卒業生や多くのグローバル企業、プロフェッショナルファームへのリクルーティングの切符を手に入れることに大きな価値があるのは間違いありません。この記事を書いている今日も、私は数年前のBoothの卒業生でEducation Technologyの分野で起業をしたファウンダーと少人数でディスカッションをするプログラムに参加してきたところで、このような機会はMBAに在籍しているからこそ得られるものです。また、アメリカは「学校」というコミュニティを大切にするため、卒業後も世界に散って行く同級生や卒業生とのつながりができます。学校としては「いやいや授業にもの凄く価値があってあなたの人生を変えるトランスフォームなんだ」と言いたいと思いますが、おそらく特に多くのアメリカ人にとっては学校のブランドとネットワーキングこそがMBAの最大のバリューだと思います。

2. 自分のキャリアゴールを達成するためにアカデミックにストレッチする
ネットワークにMBAが大きな比重を置いていて一部の学生はリクルーティングさえうまく行けばパーティー三昧なのも確かですか(笑)、もちろん授業もMBAとして大きな価値があります。これは、2年間を使って何を達成したいか、人によると思います。

例えば、私は投資銀行出身ですが、MBAでコーポレート・ファイナンスに関する授業を一通り真面目に受ければ、投資銀行のアナリストレベルの知識を身につけて、卒業後にアソシエイトとして働く基礎体力を得ることは可能だと思います。ですので、投資銀行業界に転職したい人がトレーニングとしてMBAの授業を使う、これはひとつの活用法です。コンサルティングやマーケティングなど、他の職種についても同じことが言えるでしょう。

また、例えばヘッジファンドで働きたい場合は、Boothでは先端のファイナンス理論を徹底して体得させてくれる(とても厳しい)授業がいくつかあります。先端の教授達の弟子になり、このように、もともと自分が経験のある分野で突き抜けるためにMBAを使うことも可能だと思います(これはフレキシブルなBooth特有の側面がもしかしたらあるかもしれません)。

もう少しジェネラルに言うと、MBAの授業の価値は、一通り引き出しができること、そして様々な国籍、性格の学生の意見を追体験できることにあると思います。

戦略、オペレーション、ファイナンス、マーケティング、統計などを一通り、レポートを書き、ディスカッションして学んでいくと、実際にビジネスの現場で問題にぶつかった時に、何かしらのとっかかりが自分の中にある状態になっていると思います。とっかかりがあればそこから深めて行けるが、何も知らないと深めて行くのは難しい、そういう意味で一通りの引き出しを作ることは広く浅く学ぶことの意義と言えるでしょう。

もう一つの様々な学生の意見を追体験できること、これは忘れてはならないバリューだと思います。今学期、私は交渉の授業をとっており、授業中に学生はグループに分かれて必ず交渉のシミュレーションをするのですが、自分がしたのと同じ交渉を他のグループがどのように感じ、進めていったかを議論するのはとても勉強になります。様々な学生とともにクラブ活動などをして見えてくるのとはまた違う、ビジネスに近い文脈でクラスメイトの考え方を追体験できるのは非常に興味深く、将来様々な国籍の人と働く時に相手の考えていることを想像するヒントとして多いに役立つと思います(特に、ラテン系の人々の交渉術や対人感覚には驚かされます)。

3. 学んだことを実戦で試してみる
長くなってきたので以後は駆け足で。話を聞いたり、授業を受けたりするだでは飽き足らず、自分が関心のある分野にリスクフリーで挑戦できるのもMBAの良さでしょう。私は1年目をこの分野にはあまり使わず、2年生時に集中的に取り組む考えですが、シカゴの企業やシカゴに進出してくる企業へのコンサルティング、ベンチャーキャピタルで授業としてパートタイムインターン、New Venture Challengeでハンズオンで指導を受けながらビジネスプランコンペ、NPOやパブリックスクールへのコンサルティング、テクノロジー分野でのコンペなど、この手の機会には事欠きません。これらは学生にとってはトレーニングでもあり、受入先等と深くネットワークを張る機会でもあり、自分がその分野や仕事に興味を感じるかを試す機会でもあります。

4. ソフトスキルを鍛える、グローバルな同級生から学ぶ
今では(苦労はまだあるものの)だいぶ慣れましたが、グローバルな同級生とのコミュニケーションやディスカッションはそれ自体が本当にカルチャーショックでした。特に、ランダムウォークに参加した時、他は全員がアメリカ人の中で唯一の英語がいまいちな日本人としての苦労と言ったら、、。今でも当時トリップリーダーとして親切にしてくれた2年生のアメリカ人達には頭が上がらないわけですが、そんなことから始まってインド人、中国人、韓国人、シンガポール人、メキシコ人、イスラエル人、(標準的な日本人よりもずっと!)真面目な人、本当に適当な人など、全く書き尽くせませんが彼らとのコミュニケーションは日々勉強です。彼らと、利害関係のある仕事ではなくて、対等な学生としての立場で本音で付き合える、これは間違いなく大きな財産です。

5. 自分を見つめ直す
さて、これらすべてをひっくるめて、MBAには自分探しとしての価値が大きくあると思います。30歳のおっさんが自分探しとは笑わせる感じですが、仕事を離れて利害なく自分で選択ができる機会というのはもの凄く貴重です。自分がこれから10年20年で何を成し遂げたいか明確ならばよいですが、そうでないならば、様々なスピーカーイベントに足を運び、友人達と話をし、授業の準備をし、様々なプロジェクトにチャレンジする中で、自分が本当に関心のあること、自分に向いていることが少しずつ見えてくるのではないかと思います。社会人経験を経た上で、もう一度自分のことを見つめ、同じように進路について悩む友人と語り合う、人によってはこれがMBAの一番の意義かもしれません。(私見ですが、30代、40代でやりたいことが100%明確で、やりたいエリアで今バリバリに働けている人は、MBAに来る必要はあまりないと思います。もちろん、プロフェッショナルファームで昇進のためにMBAが必須という話なら別ですが)

まとめ
いろいろと書いてみましたが、こちらに来て実際にMBAを体験するまでは、「英語で議論ができるようになって、経営に関する知識を授業で学んで、MBA後は過去のキャリアに英語を組み合わせて日本で○○ができたらいいかな」ぐらいにしか考えていませんでした(エッセーにはもう少しカッコよく書きましたけれども)。しかし、今見返してみると、日本にいる時にMBAでやりたいと書いた内容は、MBAのリソースのほんの一部にしか触れておらず、恥ずかしいです。これから受験される方は、自分の志望校(もちろん、Boothも!)の方にしっかりとヒアリングし、これまでの自分の経験とMBAのリソースをレバレッジして、自分が実際にやっているところが目に浮かんで見えるような大きな志をエッセーに書くことをお勧めしたいと思います。また、BoothでのMBAの実際を知っていただくために、私たちはホームページとブログを作り、キャンパスビジットにも積極的に対応させていただいています。Boothを訪れる方は、ぜひ当ブログの連絡欄からご連絡下さい。シカゴでお会いするのを楽しみにしています。

それでは、皆さん良い夏をお過ごし下さい!また秋が近づいてきたらお会いしましょう。

Chicago Boothのアントレ教育について

2年生のKSです。2年間の締めくくりに何を書こうかと考えたのですが、アプリカントの方からの質問で一番多いにも関わらずブログで余り触れられていないアントレネタについて書こうと思います。始めに断っておくと、私は実際の起業経験もなく、今後も(少なくとも当面は)起業をする予定も無いので、飽くまでMBA生としてのアントレ体験、という点に絞った話になります。アプリカントの方々の多くも、実際に起業する、というよりはMBAで起業について一通り経験してみたい、という感じだと思いますので、参考になれば幸いです。

アントレという観点からのChicago Booth
日本では、「Chicago=Finance」というイメージが定着しているかもしれませんが、FTでも特集されているように、アメリカ国内ではChicagoのEntrepreneurship Educationはかなり注目されています。実際、殆どの学生がEntrepreneurshipをConcentrationに入れていますし(Financeについで二番目に多い)、入学当初は、起業経験がある同級生、卒業後起業した(する)同級生が予想以上に多かったことに驚いた記憶があります。

どこのビジネススクールもアントレ教育に力を入れているのですが、Chicagoの特長は何といっても、a)(PE、VC)キャピタリストとの距離の近さ、 b) Chicagoという立地を活かしたExperiential Learning 、c) 授業のフレキシビリティー×クオリティー、d) New Venture Challenge という4点にあると思います。

a) キャピタリストとの距離
The Carlyle Group やBlackstoneなどの有力ファンドがChicago Alumniによって設立されているように、過去数十年に渡り多くのキャピタリストを輩出しており、またLaSalle Investmentのようにシカゴベースのファンドも少なくないため、投資家と話す機会が豊富にあります。私自身も、授業やビジネスコンペで直接起業アイデアをぶつけ、フィードバック(という名の言葉攻め)を受けたことが何度かありますが、こうした経験はBoothにこなければ(実務でも)難しかったと思います。また、教授陣にも、投資家、起業家出身が少なくなく、理論だけでなく起業の泥臭い部分(失敗経験やリスクなど)を聞けるのもBoothならではだと思います。

b) Chicagoという立地を活かしたExperiental Learning
日本ではあまり知られていないですが、ChicagoはGDP世界第4位の都市であり、金融だけでなく起業も活発です。こうした立地を活かし、ラボ系 の授業では、ChicagoベースのStartupをクライアントにコンサルティングの実地経験を積むことも可能です。また、Hyde Park Angelというエンジェル投資家とシカゴ大学がジョイントで運営しているファンドもあり、インターンをすることもできます(かなりの倍率ですが)。授業以外にもCoffee Chatなどのでアルムナイやシカゴベースの起業家と話すことや、教授や友人の紹介でインタビューに行ったり、と貴重な経験ができました。普段忙しい起業家にふらっと話を聞いたりビジットできるのは、勿論シカゴ大学の知名度やネットワーキングもありますが、やはり徒歩圏内にスタートアップがある、という立地のベネフィットが大きいと思います。

c) 授業のフレキシビリティー×クオリティー
Chicago Boothの素晴らしさは幾つもありますが、授業は(アントレ系統に限らず)本当に素晴らしいです。正直日本の学部時代の授業は殆ど一科目も記憶にないですが、Chicagoの授業は一回一回が本当に楽しみでした。結局、色々な科目を取りすぎて卒業単位を大幅にオーバーしてしまいましたが、それでも学び足りないくらい素晴らしい科目が詰まっています。

アントレに絞ってみても、Building The New Venture(what’s your story? の著者であるCraigも教授陣の一人), New Venture Strategy(超人気授業)、Private Equity & Entrepreneurial Finance (Kaplan)など仮想ビジネスやケースを使ってアントレの全体感を学ぶコース、前述のように実地でコンサルをするLab、Entrepreneurial Selling(起業家のセールスに重点を絞ったコース、コールドコールなどの仕方まで学ぶ)、The Internet Startup(アルムナイであるGrouponファウンダーによってファシリテートされる)などの各論、が多く提供されており、1年生の1学期から興味に合わせ自由に選択できます。(余談ですが、Chicagoは、実務とアカデミックが融合した数少ないビジネススクールでもあり、Tax Strategy(起業やM&Aにおけるタックススキームを学ぶ、恐らく世界のMBAで唯一のTax にフォーカスした授業)のようなマニアックな授業が毎回満席だったことには、軽いショックを覚えました)

d) New Venture Challenge
コンペティションも盛んでWhiteboard Challengeのようにアイディアベースでのコンペティション、Case Challengeのような課題解決型のコンペなど様々ですが、やはりChicago Boothの看板はNew Venture Challengeだと思います。アントレ教育の世界で最も有名な教授といっても過言ではないKaplan によって運営されるビジネスコンペは、既に20年近く開催されており、これまで65社が総額$200M近くのFundingを受けています。他のコンペは準備期間1週間から1ヶ月程度のものが殆どですが、NVCは書類審査に始まり、最終プレゼンまでで半年近くかかり、そのため2年間丸まるかけて参加するチームも少なくありません。2次審査まで通過するとKaplanとRudnickのファシリテートによる授業に参加できますが、授業では毎回20名近い審査員(殆どが起業経験者か投資家)が各チームのプレゼンに対して質問を浴びせ続けられます。コンペの優勝の有無はある意味では目的ではなく、こうした投資家とのやりとりからの学び、ネットワーキング、Trial & Errorの繰り返し、プレッシャー(教授も投資家も真剣なので、サボると容赦ない)は、他の授業では経験できない部分です。2次審査まで通過するのも結構な倍率で(30/100チーム)、このレベルになると殆どのチームが実際に起業を考えており、他のチームから受ける刺激も強烈です。「(理想系を描いた)ピクチャーではなく、客と金の匂いのするリアルなビジネス」をモットーにしているコンペだけあって、カスタマーを開拓したり、パートナーを見つける、という実務プロセスが重要視されますが、教授や投資家に人を紹介してもらうこともままあり、意外な業界の大物に出会える可能性もあります。こうした経験は、さすがに他の授業では味会うことが難しい部分であり、参加して本当に良かったと思います。

最後に
最後に2年間の留学の締めくくりをして終わろうと思います。

今にして思うと、2年前Boothに来た時は、MBAで何かが変わる、という淡い期待を抱いていたような気がします。でも、2年間という時間、キャリアを中断するリスク、2千万円近い出費、は本当に莫大な投資であり、MBAがその投資に見合う価値かどうか、ということについては良く考える必要があると思います。実際、MBA取得者の数は年々増え続け、Business Educationを提供する機関も増え続けている(ビジネススクールだけでなく)中、MBAをレジュメに載せておくこと自体の価値は下がり続けていると思いますし、MBAを取得したからといって何かができるようになる訳でもないし、ましてや成功を約束するものでは無いと思います。

しかし、MBAに投資した価値があったかどうか、と言われれば、答えはYesだと思います。2年間毎日が刺激に溢れいた、というのは中々ないことだと思います。今振り返ってみても、無駄にした日は一日たりともなかった気がします。中でも、スタディーグループのメンバーと本気で喧嘩してしまったことは(今となっては)良い思い出です。本音で青臭いことを言ったり、価値観をぶつけあうのは、ヒエラルキーのしっかりしている職場では中々難しいと思います。授業では、気づけばクラスで一人だけ反対意見で、恥ずかしさで意見を撤回してしまったことがありましたが、教授に”(せっかくのリーダシップの機会を自分から取り下げてしまったことに対して)Disappointed”だと言われたのは、(間違っていても間違っていなくても)自分の主張を伝えることの重要さを認識させてくれました。そして、2年前は無意識のうちに国籍や言語を気にしながら相手と接していた自分が、相手の国籍を問わず、胸を開いて飛び込んでいけるようになったのも、これから国際社会で結果をだしていくための大きな財産になったと思います。空回りしがちな私の情熱(?)に答え続けてくれたChicago Boothの充実した教授陣、Harry DavisやStacey Koleを始めとするDean達、そして愛すべきクラスメート達に感謝したいと思います。