MBA/MPCS Joint Degree Program について

Class of 2019のRYです。今回は、MBA/MPCS programについて紹介させていただきます。

プログラム概要

MBA/MPCSは、Chicago Booth MBAとcomputer scienceの修士を二年間で取得できるプログラムです。MPCSそのものの歴史は長いですが、BoothとのJoint degreeプログラムはビジネス・テクノロジー双方に通ずる人材が必要という時代の潮流を受け、一昨年に開設されたばかりです。

Booth MBAに加え、プログラミング、システム、データベース、アルゴリズム、機械学習、アプリやウェブ開発など、様々な領域を学んで修士を二つ取得できる「おいしい」設計になっています。CSの授業は、MPCSの学生にまざって受講します。

現時点ではJoint program生は一学年20名前後と少人数ですが、受験生・在学生の関心も高まっており、今後よりメジャーなプログラムになっていく可能性もあろうと思います。初心者も歓迎しており、CSの経験は不問です(私自身、初歩的なプログラミングすらしたことありませんでした)。選考はBoothと別プロセスで、Booth合格後(もしくは入学後)Joint degreeにアプライすることも可能です。

卒業要件は、MBA 14 + MPCS 7 = 計21単位。加えて、(試験合格によって免除可能な)数学・プログラミング科目が2単位あります。つまり、未経験者の方は、通常のMBA 20単位に対し、23単位を履修します。

体験談(一年目のみ)

冬学期

  • Concepts of Programming: プログラミング未経験者向けのprerequisite科目。言語はPythonを使用。初心者向けとはいえ進行は早く、課される宿題も難解。学期を通じ、かなりストレッチさせられた印象。が、食らいついているうちにPythonの基本が一通り身につき、とても充実した内容だった。
  • Discrete Mathematics: 離散数学というcomputer scienceに欠かせない分野。内容は論理と証明、数の理論、組合せ論、グラフ理論など。文系出身者にとっては、半分は受験数学のおさらい、半分は新たな分野、のイメージ。

春学期

  • Python Programming: 必修プログラミング科目としては、JavaやCなど他の言語を選択することも可能だが、筆者は深堀りをしたいと思い、先学期学んだPythonを選択。より体系的かつ広範囲に、様々な問いへのコードが書けるようになった。
  • Algorithms: アルゴリズム理論を学ぶ必修科目。並び替えや最短経路の算出など、問題を解くにあたった「コンピュータの手順化されたモノの考え方」について理解を深める。未経験者には難解で、多くの学生が苦労する科目のひとつ。が、真剣に取り組むと実社会への応用なども見えてきて、極めて知的好奇心をそそられる内容。

どんな方に向いているか

以下のような方は、本プログラムの良さを最大限に享受できると思います。

  • テクノロジーに関心があり、理論的背景をしっかりと学びたい方
  • テック業界への転職を考えている方
  • 卒業後、IT・データ・イノベーションをテーマとするプロジェクトや部署に関わりたい方
  • 「これからの経営人材はテクノロジーのリテラシーは不可欠」というビジョンのある方

一方、CSに要する勉強時間は長く、負担が大きいのは事実です。CSをすでに一通り学んだ方、テクノロジーが学びたいことの柱のひとつでない方には、うまみは少ないかもしれません。

まとめ

Computer scienceという学問は、data analyticsやentrepreneurshipといったBoothの注力分野との親和性も高く、当プログラムはひととおりMBAの経験もしながらもうひとつ「武器」を備えさせてくれると思います。IT・データ・イノベーションの分野で活躍したい受験生の方は、ぜひ挑戦してみてください。