Orientationについて

こんにちは、Booth1年生のTHです。
殆どのアメリカのMBAでは、既にオリエンテーションが終わって授業がスタートしているのではないかと思いますが、Boothは9月下旬から授業が始まります。8月にシカゴに移ってきたあと、8月中旬にランダムウォーク、8月下旬に1週間のAccounting classを受講し、9月1週から約2週間のOrientationが始まりました。Orientationの中身と気付きを共有したいと思います。
また、Orientationの中でLOR(Leadership Orientation Retreat)というクラス全体でのsmall tripがあったのと、Orientationと並行してBoothで唯一のCore授業であるLEADが始まったので、こちらは別途ブログ更新予定なので、そちらを乞うご期待。

Orientationの全体の概要としては下記。

Day1

  • Welcome Speech: Deputy DeanであるStacey KoleからのWelcomeスピーチ
  • Cohort activity: コーホート別でキャンパス内のツアー。コーホートとは授業やその他のアクティビティをする際の仲間の単位として、学生を分けた小グループのことで、Boothでは、1学年600人弱を10のコーホートに分ける

Day2

  • Curriculum Overview: 数多くある授業のうちFeaturedな授業30程度について、教授たちが中身を紹介し宣伝。あまり興味ないかも、と思っていた授業もこのセッションを通して興味をもつ学生が多い
  • University Resources and Support: 学生生活を送る上でどんなサポート・リソースがあるかの紹介。

Day3

  • Alumni talk: Alumniのパネルが登場し、Booth卒業後の自分の仕事やキャリアについて語る。卒業後のキャリアを考えるためのセッション。Financeが強いBoothだけあってInvestment management, Private Equity, Venture Capitalなどから多数Alumniが参加。その他もコンサル・スタートアップなどなど各方面の成功しているAlumniたちが登壇し、Boothでの学びやキャリアの体験談を共有してくれる

Day4

  • Faculty panel & lunch: 教授によるパネルディスカッションと、続いて教授たちを含めたランチセッション。教授が学生の質問に答えて、学生が教授を知る機会。どんな観点で授業をとるべきか、どんな学生が望ましいか、などの質問が学生から飛び交う。シラバスだけでなく、教授と話すことで、授業の内容を立体的に理解しようという目的。実際、このセッションをとおして、ぜひ授業を取りたいと思う授業が増える。

Day5~7

  • LOR (Leadership Orientation Retreat)

Day8

  • 業界別のrecruitingの説明: コンサル・Investment bank・PE/VC・Investment management・Startup・Corporate等業界別で、どのようにMBA生の就活が行われるかをCareer serviceチームが説明
  • Career adviceのセッション: Career serviceチームと個別のアポイントを入れてキャリアの相談をすることができる

Day9

  • 業界別のAlumni talk: Day2であったAlumni talkに似た形だが、業界ごとにAlumniがまとまっているので、自分の興味のある業界選択的にAlumniの話を聞くスタイル。1時間のスロットx6回に分かれており、各スロットで、聞きたいセッションを聞きに行く。Day 8に引き続いて業界に対する知識を深めるのが目的。

Day10

  • Orientation closing: DeanのStacy Koleが再度登壇し有名教授の一人であるHarry Davisとともに、MBA生活を送る上での心構えを話し、生徒を激励。
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Orientationを通しての考察として、

Orientationの中身からBoothについて思うこと
1.自分の興味を明確に理解しておくことでMBA生活を充実させられる
スケジュールからも分かる通り、Orientationの中ではAlumniの話を聞いたり就活の方法について知る機会が多々用意されている。殆どの学生にとってMBAは将来のキャリアに踏み出すきっかけであり、学校側も学生のキャリアを全面的にサポートしていて、業界知識を与える他に、レジュメを添削したりキャリアアドバイスのセッションを提供したりと手厚い。そういう意味では、自分がどんなことに興味があって、将来何をしたいのか、2年間どうやって使いたいのか、を受験でエッセイを書いている段階から考えていてよかったと思う。明確になっていればなっているほど、自分の興味にそって情報を取りにいって、価値のある学びを得ることができるし、逆にMBAで何をしたいのかの目的意識がない状態で来てしまうと、大量の情報を与えられて、目がくらんでしまい何をすべきか却ってわからなくなる。

2.Alumniのコミットメントが非常に高い
2週間のOrientationの中で2回Alumni talkのセッションがあったが、どちらも平日朝~昼で実施されている。にもかかわらず、どちらのイベントにも合計数百人のAlumniが来て、自分たちのMBA時代の学びを共有していた。殆どが卒業後10年以上経っていて会社の中でシニアなポジションについている人たちで、中にはCXOをやっている人たちもおり、また、シカゴ周辺で働いている人だけでなく、アメリカ全体や、ヨーロッパ、アジアから来ているAlumniもいた。本来なら仕事で忙しい平日の昼間に、学生のために時間を割いてくれるコミットメントには驚いた。セッションの後話にいくと、とても気軽に相談にも乗ってくれ、また連絡してよと言って連絡先を交換することができるという距離の近さであり、初対面のシニアなマネジメントと関係を築くことができるのはMBAの特権だと思う。

また、アメリカの文化について思ったこととして、
1.自分のアイデンティティがコミュニケーションの土台になる
アメリカのコミュニティに属してみて感じるのだが、コミュニケーションする上で日本にいるとき以上に自分のアイデンティティを意識することが多い。初日のウェルカムスピーチでは、Deanが30分に渡って、生徒たちのアイデンティティに関するファクトを紹介していた。今年の入学者が580人のうち、International比率は何%、そのうち一番多いのは中国で何%、次がインドで何%、それから女性比率は何%など、数字を使って生徒のバックグラウンドを紹介し、段々と自分の周りにいる仲間への理解度が深まっていく。また、聞いている学生側も、紹介されたアイデンティティを持つ人たちからしょっちゅう怒涛の拍手喝采が発生してスピーチが中断する。こんな中にいると、自分の国籍や前職が紹介された時には、自然と同じテンションで拍手喝采していて、その中で、いつの間にか、自分のアイデンティティを意識する。スピーチは一例にすぎないが、その他の活動や日々のクラスメートとの会話の一つをとっても、どこから来たのか?前職何をしていたのか?何が好きなのか?とアメリカにおいては自分のアイデンティティがコミュニケーションの土台になると感じる。

2. ネットワーク構築が重視されていて、意図的に労力・時間を割く
Orientationのアクティビティでコーホート単位でキャンパスツアーをした。やっと学校が始まったと思っていたところで、キャンパスツアーで学校中を歩き回るだけというのは、前職時代に時間・プレッシャーの中で戦っていたことを考えると、あまりに緩すぎる時間の使い方と最初思ったのだが、学校を回るのがメインの目的ではなく、コーホートのクラスメートとネットワークを築くのが目的らしい。また、オリエンテーション旅行でもコーホートごとの時間があり、2人1組でペアを組み10分間x6回お題(将来成し遂げたいこと、など)に沿って話をするだけという企画があった。日本から来ている自分からすると、自分たちで雑談でやればいいんじゃないのか?と思ってしまうのだが、MBAだと盛り上がり、みんな凄まじい勢いで喋りまくっていて自分の声も聞こえないくらい。MBAのプログラムとして、クラスメートと知り合うことを重視しているのでStructuredにやっているようで、学生も真剣に全力でねネットワークに励む。自然な流れで自分の周りの人たちとネットワークを築いていくのではなく、意図的に労力と時間を使ってネットワークを築くのが、MBAらしい。つまりそれだけ、ネットワークの構築が重視されている。

更に思うのは、これらの気付き自体はそれはそうだろうという程度のことなんだが、ポイントは、これを実感することにあると思う。MBAに来てコミュニティの一員になることで、客観的な想定から一歩踏み込んで、自分もこうならないといけないという主観的な学びを得られることにあると思う。


何となく書き連ねていたら長文になりました。読んでくれた方、ありがとうございます。引き続きBooth生一同Blog更新していきます。
また、MBA受験はラウンド1の締め切りの時期ですね。受験されている方、お疲れ様です!この後もインタビューがあるので、気を抜かずに頑張ってください!