Employment reportから見るBooth卒業生のキャリア

こんにちは。Class of 2020のTHです。

 MBAを目指す方にとって、卒業後のキャリアは最大の関心事と言っても過言ではないと思われます。この点、Chicago Boothは各年のMBA卒業者を対象としたアンケートに基づくEmployment reportを公開しており、こちらからご覧になれます。このレポートの対象者はChicago Booth Full-Time MBA の全学生で、回答率は例年95%超なので、Chicago Booth卒業後のキャリアの状況を把握するためには大変有用なものとなっています。ここでは、現時点で参照可能なデータ(Class of 2013 – 2018)を元に、Chicago Boothの卒業生の就職状況について一部紹介・考察いたします。

全体像

 まずはClass analysisによる全体像を見てみましょう。以下のグラフは、Chicago Booth Full-Time MBAの卒業生全体(毎年600名弱)のうち、何名が新しいFull-Timeの就職先を探しているかを示しています。ご覧の通り大半(およそ90%弱)の学生がSeeking Employmentのステータスであり、Sponsoredで雇用先に戻る学生は学校全体では少数派であると言えます(とはいえ、Sponsoredの人数が増加傾向にあるのは興味深いです)。ちなみに、Non seeking employment – Otherと示している人数の多くは起業予定の学生です。

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Job Offer rate(内定率)

 次に、就職を希望している学生のJob offer(内定率)の状況を見てみましょう。以下は就職を希望する学生における卒業後3か月後時点のJob offerの状況です。以下の通り、US citizens・International studentsともに90%を大きく超える水準を保っています。この割合は他のMBAプログラムと比較しても非常に高く、高い内定率はChicago Boothの一つの特徴であると言えます。

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業種毎の就職状況

 次に、Job offerを受け就職を決めた方の中での、業種別の内訳を見てみます。ここでは人気三業種(Consulting, Financial Services, Technology)を始めとするIndustry(業種)毎の就職先の人数を示しました。こちらから言える事は、Consulting, Financial Servicesの二業種が例年過半数を占める事と(Financial servicesは緩やかな減少傾向と言えるかもしれません)、Technology業界への就職者が年々増加している事でしょう。

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Technology業界の就職状況についての考察

 最後に、就職者が増加傾向にあるTechnology業界について、もう少し詳細を見てみます。色々な切り口の分析が出来ると思いますが、ここでは当レポートのデータから得られる一つの考察として、Technology業界におけるProduct Manager(PMと略されます)の存在を挙げたいと思います。

 以下の表は、Employment reportの中のFunction (職責)別のデータのうち、Product Management (Tech)という項目の人数の推移となります。表のとおり、人数・(Technology業界への就職に対する)割合のどちらの観点からも存在感が増していると言えます。PMとは、特定の製品の販売の計画・実行等を担い、収益責任を持つ職種です。PMにおいては、テクノロジーの知識だけでなく、Strategy, Marketing, Project Managementといったビジネスにおける総合力が試されます。このような業務はMBAで得られるスキルとの親和性が高いことから、Product Managerへの関心の高まりがPost MBAにおけるTechnology業界の人気を牽引する一つの要素となっている、と仮説づけられるでしょう(実際私がMBA生活を送る中でそのような傾向は強く感じます)。

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最後に

 以上は一部の紹介となりますが、Employment reportによりBooth卒業生のキャリアに関する実態を様々な側面から見る事が出来ます。もちろん、Chicago Boothはあらゆる業界でのリーダーを目指す学生に開かれていることは言うまでもありませんが、マクロ的な傾向を知ることは、MBA生活およびMBA後のキャリアをイメージする助けになると思います。以上、ご参考になれば幸いです。