交換留学生の感想

(その1)

こんにちは、東京の大学のMBAプログラムに所属し、この学期Chicago Boothに交換留学生として派遣されているynと申します。Chicago Booth(以下Booth)は世界中のMBAスクールと交換留学制度を取り結んでいて、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米、オセアニア等からの学生がここに学びに来ています。私は50名程のユニークで優秀な交換留学の仲間と一緒になりました。

ここでは私が所属している東京の大学とBoothとの授業の違いについて私の感想を述べさせていただくことで、今後皆さんの学校選択の参考等にしていただければと思います。交換留学生の為の特別な授業というものはなく、授業の選択、評価等、正規の学生と同じです。全日制の授業も週末、夜間MBAの授業も選択することができます。授業に出席していて自分が交換留学生だと意識することはあまりありません。Booth自体、世界中から学生が集まってきているので、そういった違和感がないのかと思います。

私が所属している東京のMBAプログラムと比較すると、まずシラバスがきっちりとしています、文字数が多いのです。およそ10週間の学期の間に何を学ぶのか、どんな準備が必要なのかといったことについて一回毎、きめ細やかに書かれています。その通りに進んでいきます。したがって今自分が授業全体の流れの中でどこにいるのかということがつかみ易いです。

また、研究、宿題など3-4人のグループを単位として学習していくことが多いです。まじめでやる気の学生が多く、というか、力を抜いてグループにぶら下がるということは許されないので、そのための準備、意見交換、小さなプライドをかけて頑張る、、、これがきついのです。うまい仕組みだと思います。

授業は教授が一方的に話すというものではなく、学生が積極的に参加していきます。教える側が様々に工夫をして、興味深い話を織り交ぜたりしながら楽しめる授業をつくっている感じです。教える側と教わる側の垣根は日本の学校よりも低く感じます。国籍、教育、ビジネスといった出身背景が違うため学生から広い範囲の質問が出ます。教授はそれらに丁寧に応じてくれます。時には学生が答えることもあります。この活気のある雰囲気が日本のMBAにもあればいいのになあと思うところです。

授業時間は3時間と長いです(私の東京の学校は1時間半なので)しかし、一旦始まってしまえばすぐに終わってしまう感じです。寝ている人はいません。飽きさせない3時間の授業を準備することは教授にとって大変な負荷だと思います。Boothで教える立場になるということの厳しさも垣間見えます。

あと、最後に付け加えれば、修士論文がありません(仲間の交換留学生に聞くと、修論がないところが多いようです。日本が変わっているのかも)東京に帰れば私には最後の試練としてこれが待っているので、修論がないのはうらやましいです。

以上、ynでした。よろしくお願いします。

(その2)

はじめまして。ynさんと同様、国内MBAから今学期のみChicago Boothに交換留学させていただいているHKといいます。

授業の内容面についてはynさんが書いてくださったので、私は国内MBAを経験している立場からのGeneralな感想を少々。(過去の投稿と重なる点についてはご容赦を)1) 授業(選択肢)の充実

初めてChicago Boothの履修サイトにアクセスしたときに、その授業数、セクション数の多さに驚かされたのを覚えています。私の把握している今学期(Autumn 2010)だけで、授業数は67。各授業複数の教授が担当されていたり、同じ教授でも時間帯やキャンパスに応じて複数のセクションを設けている場合もあるので、セクション数にして実に179。国内のMBAでこれだけの選択肢を提供している大学はないでしょうし、本場米国でも有数なのであろうと容易に想像できます。

ちなみに同じ授業でも担当教授を選択できる点は非常に素晴らしいと感じました。授業評価や人気度がオープンにされているので、教授が授業を魅力的なものにしようという効果的なモチベート材料になっていると感じました。Chicago Boothの豊富なリソースがなせる業だと思います。

2) システム、施設の充実
システム面については、Chicago Boothのポータルサイト以下、授業検索のページ、授業評価のページ、履修(Course Bidding)用のページ、履修者を対象とした授業関連データやアサインメント等の情報共有サイト等、非常に充実しています。特にCourse Biddingのシステム(iBidといいます)については、非常によく考えられた、フェアかつシステマチックなプロセスで、履修段階から学生の戦略的思考が試されると同時に、(特に人気の)授業への学生のコミットメントが増す材料になっていると感じました。
施設面については、ハイドパークとダウンタウンキャンパスという二つの環境が利用可能という点が大きいです。ハイドパークのキャンパスは自然に囲まれた素晴らしいエリアで、建物や自然を見て回っているだけで癒されます。ダウンタウンキャンパスはアクセスの良い立地で、ダウンタウン在住のメンバーとのグループワークや自習等に活用できます。フルタイム生やエクスチェンジ生でもダウンタウンキャンパスでの授業を履修することもできます。私はハイドパークのキャンパスの授業のみ履修しているのですが、Boothの建物(Harper Center)内には、教室、グループ室、自習室、カフェテリア、ラウンジ等普段の活動に必要なものはすべて揃っており、非常に施設が整っているといった感想です。

3) 生活の充実
学習面やキャリア面でのTakeawayももちろん大切ですが、人生における大切な2年間という期間を過ごすのであれば、生活面での充実は非常に重要な要素だと思います。住んでみて実感したのですが、新と旧、そして自然と都市がうまく同居したシカゴという街は非常に魅力的です。建築に興味のある方はもちろん、アートや音楽やスポーツを中心とした文化面における充実度は特筆できると思います。毎週どこかに出かけても、まだまだ訪れたいところに行きつくせないといった感じです。また、他の大都市と比べて観光客も少なく非常に落ち着いた雰囲気で、現地の人たちも非常に温和でやさしい印象です。郊外でローカルなコミュニケーションと勉強に集中するのもよいですが、うまくONとOFFのバランスをうまくとりながら充実した生活のできるシカゴは、自分にとってベストな選択肢であったと思います。
あと、同様にトップビジネススクールであるKellogg(Northwestern University)に立地的に近いのも魅力のひとつですね。彼らと接点を持つことで、2倍の人脈を得る可能性が広がります。ちなみに今夜は彼らとの懇親会です。

ということで、Chicago Booth(Chicagoというロケーション含めて)のヒト、モノ、カネならびに情報リソースは、きっと皆さんのMBAライフを豊かにするのであろうと思います。
私個人としては、日本のMBAには残念ながら足りない、Chicago Boothのよい部分を帰国後フィードバックして、国内MBAも皆さんの選択肢として考えてもらえるような魅力的なもにになるよう貢献したいと考えています。
長文失礼しました。

以上、HKでした。