Chicago Booth Japan Club - シカゴブース 日本クラブ

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Boothでのクラブ活動:Investment Management Group編 (その2)

皆さん、こんにちは!Class of 2021のKYです。

早くも1月が終わり、サマーインターンシップのための就職活動も一段落したこともあり、そろそろずっと放置していた(苦笑)昨年11月下旬に参加したボストンで開催されたMBA Women In Investing (WIN) Conference(以下、WIN Conference)について書きたいと思います。2ndラウンド出願の皆さんはまだインタビューの準備などで大変かもしれませんが、最後までがんばってくだいね!キャンパスビジットやメールでインタビュー対策等のご相談に乗ることも可能なのでよろしければ是非ご活用ください。皆さんの大学合格の一助になれること、そして皆さんが念願の大学(願わくばBooth)に合格されることを心より願っています。

さて、前回Professional系クラブのInvestment Management(IM)Groupの記事をアップしましたが、この会合はそのクラブを通じて参加した10月のChicago Booth Investment Competition(以下、CBIC)の後に、クラブのCo-Chairs(クラブの役員)によって選抜されて参加してきました。当クラブの女性メンバーは大変少ないため、私が参加しないと最小参加人数の3名に達しないことが選抜された主な理由です^^; 女性の社会進出が進んでいる米国でさえもIM業界における女性のプレゼンスは低く、現在IM業界で働いている女性の割合は全体の10%以下と少ないのが実情です。今後BoothのIMGの女性メンバーが増えることを願っています。ちなみにCo-Chairsには女性メンバーが2名いますが、二人とも異様に優秀な人達です。

2日間に亘って行われたWIN Conferenceは他のストックピッチの大会とは異なり就職活動色が強く、WIN Conferenceのスポンサー企業とのネットワーキングに主眼が置かれています。要は「1月に本格化するサマーインターンシップに向けた大手企業によるpotential candidatesの早期囲い込みの場」といったところでしょうか。このため、この会合では事前にレジュメのスクリーニングがあり、企業の目に留まった生徒は面接や各社主催のネットワーキングイベントに個別に招待され、参加企業の説明会や全体でのネットワーキングイベント、IM業界の様々なトピックに関するパネルディスカッション、(スポンサー企業による採点付き)ストックピッチのショーケースなど2日間の間にこれでもか!というほど企業とネットワーキングする機会が盛り込まれております。早朝から夜遅くまで休憩が殆どなくぎっしりとスケジュールが組まれており、食事もスポンサー企業によるパネルディスカッションを聞きながら取るため、さすがに2日目の朝食時には学生達は心なしかげんなりしていました(苦笑)。

ただ、WIN Conferenceには欧米のトップスクールしか参加できないようで、またスポンサー企業もIM業界のビッグネームばかりということもあり、この会合に参加できるのはBoothに入る一つの利点かもしれません。また、普段会うことができない他校のIM業界を目指している学生達と交流できる貴重な場でもあります。周りの学生達のプロフィールを聞いていると、皆前職はIMやプライベート・エクイティ、クレジットアナリスト、トレーダーなど金融業に従事しており、とても意識が高い人達が多かったのが印象的でした。人種をみると、比較的中国人や白人、インド系が多く、日本人は私だけで他のアジア人が少しみられましたが、韓国人はいないようでした。この会合に参加した学生の45%は後にIM業界に就職しているとのことで、米国でも女性の割合が10%以下であることを鑑みると、如何にこの数字が驚異的であるかがお分かりになるかと思います(実際、この数字がアナウンスされた際には会場ではかなりどよめきが起こっていました)。このため、WIN ConferenceはIM業界を目指す女学生にとっては登竜門的な位置づけにあるといっても過言ではないかもしれません。(後述するストックピッチの準備がすごく大変だったけど)このような会合に大学のお金で無料(飛行機代、タクシー代、宿泊費を全てBoothが負担)で参加させていただいたことに感謝しております。

以下、WIN Conferenceの各催しについてご説明したいと思います。

個別企業との面接 (1日目 9:00 a.m. – 1:00 p.m.)

事前に参加企業各社によるレジュメのスクリーニングをパスした学生はWIN Conferenceが始まる前に会場のヒルトンホテルから離れたオフィス街にて面接を行います。各社一人につき30分の面接時間を設けており、面接は実際1月のインターンシップの面接で行われる内容と同じで、職務経歴、MBA取得の目的、IM業界の志望理由、ストックピッチとfollow-up質問、行動面接で主に構成されており、大半の時間はfollow-up質問に費やされました。ただ、大変残念なことは最後のQ&Aの際に「御社は留学生の就労ビザのスポンサーをして下さるのですか」と聞いたところ、「あれ、あなた就労ビザ必要なの?当社は恐らくスポンサーしないわ」と言われ、案の定同社はビッグネームなのにスポンサーしないことが後に発覚し、サマーインターンシップには応募できませんでした(泣)。留学生にとって米国のIM業界で就職するのは就労ビザの問題から大変難しく、Boothに求人を出している9割以上のIM企業は応募要項に米国で働けることを求めています。面接のために夜寝ないでストックピッチを完成させて朝6時の便に乗ってボストンに来て、マイナス3度の中オフィス街をさ迷いながら面接に臨みましたが、これも今振り返ればよい思い出です(苦笑)。

スピードネットワーキングセッション(2:00 p.m. – 5:04 p.m.)

名前の通り15分間という短い間にスポンサー企業と各テーブル10名くらいの学生とネットワーキングセッションが行われます。この15分の短い時間の間に、企業説明を受けて質疑応答が行われます。驚いたのは他の学生の意識の高さです。「私ちゃんと企業リサーチしてきました!」といわんばかりの質の高い質問がバンバン飛び交い、学生達は企業への自己アピールの場として考えているようでした。テーブルの上に積まれた名刺が奪い合われ、学生達の質問を感心しながら聞いている中、3日間ほぼ寝ていなかったためか当方はどうやら途中で寝落ちしていたようで、この時の記憶が半分くらいしかないです(苦笑)。もっとも、記憶がある時にはこの記事のために現状調査をしなければ!と思い、各社にサマーインターンシップを通常何名程度毎年取るのか質問したところ、どの企業も2~3名程度しか取らないようで(複数オフィスがある企業は各オフィスでその人数を取るイメージ)、アメリカの学生とも争わないといけないことを考えると、改めてIM業界でのインターンシップ獲得の難しさを実感しました。同席した他校の中国人の2年生は「この隣にいる子はすごく優秀なのにまだ就職先が決まってないの。おかしいわ!」と嘆いていました…。

ネットワーキングセッションレセプション(5:15 p.m. – 6:30 p.m.)

夕食の用意ができるまでの時間も無駄にしませんといわんばかりに今度は全体でのネットワーキングセッションが行われました。ヒルトンホテルで主催されているせいかオシャレめな空間でお酒やアペタイザーを楽しみながら皆ネットワーキングをしていました。

ディナー/パネルディスカッション(6:30 p.m. – 8:30 p.m.)

ディナーでは企業と学生が一緒のテーブルに座り、1時間程度雑談した後にプラチナムスポンサーによるパネルディスカッションがありました。ただ、極度の寝不足と疲労により途中で寝落ちしてしまったためこの時の記憶が殆どなく(苦笑)、このままでは夜10時から行う予定の明日のストックピッチの練習(この時点では各人の割り当てを決めたたけで全体練習を一回もしていないひどい状況)に間に合わないため、途中で抜け出して仮眠することにしました。

個別企業主催のネットワーキングレセプション(8:30 p.m. – 10:00 p.m.)

参加する予定でしたが、事情を説明し残念ながらキャンセル。この一時間半の睡眠でなんとか少し生き返る。

朝食/パネルディスカッション(2日目 7:00 a.m. – 8:00 a.m.)

夜10時から深夜まで全体で練習した際に自分のパートが長すぎて制限時間の10分間に収まらないことに気づいたが(確かに今思えばappendixを除き計18枚のスライドは明らかに多すぎ)、パワーポイントの事前提出が求められていたためスライドを削除することもできず、夜な夜な早口の練習をし続け再び睡眠不足に。朝7時という異様に早い朝食とプラチナムスポンサーのややアグレッシブなお姉さま方(Q&Aの際に名前を言い忘れた学生は結構本気で怒られていた)によるパネルディスカッションにふらふらになりながら参加しました。

ストックピッチショーケース(8:00 a.m. – 9:25 a.m.)

WIN Conferenceのメインイベント。3つの会場に分かれて同時並行で行われます。明らかに大学のランキング順に分けられており、トップファームは我々Boothチームが含まれる会場に集中し、審査員としてストックピッチの評価を行い、後に詳細なフィードバックをくださいました。他校のストックピッチを見ていましたが、Whartonの中国の美人3人組によるストックピッチが特に素晴らしかったです。ただ、我々もBoothの名に恥じないようなピッチが出来たかなと思っています。Q&Aの際には企業からたくさんの質問がありましたが、どれも自分としてはちゃんと回答が出来たと思っており、むしろCBICの際の質問の方が難しかったと感じました。改めてBoothのIMGのCo-Chairs(CBICの大会では彼らとKelloggのCo-ChairsおよびIM業界で働く卒業生が審査員役)のレベルの高さを実感しました。ストックピッチではかなりの早口により無事制限時間内に終えられたこと、質疑応答の準備が出来ていなかった割にちゃんと質問に答えられたこと、そしてピッチ後複数の方から嬉しいお言葉を頂いたことから、久しぶりに何とも言えない高揚感に包まれました。

その後、審査員7名から評価シートをいただき、自分のチームのストックピッチの具体的な評価をみることができました。下図の通り、よくできたなと思っていた質疑応答(4.Q&A Quality)は審査員によっては満点だと感じた人もいれば平均以下だと思った人もおり、改めて主観的な見方って怖いなとつくづく思いました(苦笑)。しかし、このように業界の最前線で活躍されているプロによる評価をいただける機会は他にはないので大変ありがたかったです。ちなみに1.Overall Quality(ピッチ全体の質)は平均3.9だったので、悪くなかったと個人的には思っています!

企業①による採点

企業②による採点

パネルディスカッション(10:05 a.m. – 12:25 p.m.)

ストックピッチ後は二つの会場に分かれて45分×3回のパネルディスカッションが行われました。一つ目と二つ目のパネルディスカッションは「how I generate Investment Ideas(どのように私は投資のアイディアを生み出しているのか)」、「how to Interview management(どのように投資対象企業のマネージャー達と<分析の際に必要となる情報収集のための>面談を行うのか」という共通トピックについて、スポンサー企業が2グループに分かれて行いました。自身を含め多くの学生達はやはりビッグネームが揃っている方のディスカッションに参加しました^^; 最後のパネルディスカッションは「Investment strategy(投資戦略)」について、米国・インターナショナルのマーケット毎に分かれていたため、インターナショナルの投資戦略の方に参加しました。折角なのでパネリスト達に日本市場をどうみているのか質問してみたところ、やはり日本企業はキャッシュを溜め込みすぎているなど非効率な経営を行っている点が指摘されました。他方、安倍政権により企業のROE向上に取り組もうという機運が高まってきた点や、女性の就業率が上昇している点(足もとでは米国よりも速いペースにあるとのこと!)を評価する声も聞かれました。パネルディスカッション後は閉会式までランチを挟んだプラチナムスポンサーによるパネルディスカッションと、最後のスピードネットワーキングセッションが行われました。

こうして長い長い二日間が終わり、振り返ってみると初めからトラブル続きで(リーダーシップを握るといっていたメンバーに任せていたら、提出期限3日前になっても全く何もできておらず、そこから心を無にしてひたすら淡々とスライドを作成する日々)、文化や物事に取り組む姿勢が異なる人達と共に何かを成し遂げるというのは大変だなと心底思ましたが、最後の方ではチームワークを発揮することができ、皆でいいアイディアを出し合えたからこそ満足のいく結果を出すことができたのだと思います。このような経験は日本ではなかなかできないほか、WIN Conferenceを通じて培った知識や経験がその後の就職活動にも役立っていることから、今では大変だったけど挑戦して本当によかったなと思っております。

総括

・Boothのようなトップスクールに入るとWIN Conferenceなど就職活動に役に立つ様々な機会が与えられる。また、大学もそれをバックアップしてくれる。

・Boothのプロフェッショナル系クラブのCo-Chairsは優秀な人達ばかりで、メンバーのために色々とサポートをしてくれる。

・クラブ活動を通じて異なるバックグラウンドを持つ人達と共同作業することで、日本では得られない経験を積むことができ、色々な面で成長することが出来る。