Chicago Booth Japan Club - シカゴブース 日本クラブ

View Original

自由度の高い授業環境: 2019 Winter Quarter

皆さん、こんにちは!Class of 2020のH.Mです。

11月にClass of 2020の日本人14人が、2018年Fall Quarterに実際にどのような授業を履修しているかを投稿しました。今回は、2019年Winter Quarterの実際の履修状況をお伝えできればと思います。

以下が履修科目の一覧です。各授業の分類については前回の投稿をご確認ください。

See this content in the original post

いかがでしょうか?Fall Quarterでは、Foundationの授業履修が多かったですが、今学期は皆、FoundationからElectieveに至るまで多様な授業を履修しており、まさにBoothのFlexibilityの高いカリキュラムを存分に活かした形になっているかと思います。(先学期同様、同じ科目名の授業でも、どの時間帯の授業を履修するかは自由です。)


1年生のうちから様々なElective授業を履修できるのが一番の特徴と思います。実際の履修者にElectiveがどのような授業なのかを紹介してもらいましょう。

Debt, Distress, and Restructuring

Corporate Financeの分野の上級クラスの一つで、企業のCapital StructureとDistress投資の二つを主に扱います。Capital Structureのセクションでは、Capital Structureは企業価値に影響を与えないというMM理論の限界を説き、Capital Structureがどうキャッシュフローに影響してくるか、最適なCapital Structureどうあるべきかについて学びます。例えばLBOにおいて、Tangibleな資産をSPCに移して倒産隔離を測り、ABSによる資金調達を行うことでどれほど利率を下げられるかを計算する等、かなり細かい実務面に踏み込んでいる印象です。Distress投資のセクションではハイイールド債への投資から、経営破綻寸前の企業のバイアウトのケースまで幅広く扱い、Credit Default Swapの仕組みやChapter 11の申請を一通り教えた後、最後に各グループでDistress投資のピッチをつくり発表するという内容になっています。どちらのセクションもハイレベルな内容で、教授やプログラムを提供可能という観点、学生側のニーズが高いという観点で、金融に強いBoothならでは授業ではないかと思います。(Class of 2020 R.I)

Social Enterprise Lab

Social Impactにフォーカスした、Labコース(実在企業などの問題解決に取り組むプロジェクト型授業)の一つです。クライアントは、伝統的なnonprofit(非営利組織)だけでなく、社会的課題の解決をミッションとするfor-profit(営利企業)まで含まれます。私のケースでは、中小企業やNPOにフォーカスした40名規模のコンサルティングファーム(for-profit)がクライアントで、幅広い中小企業・NPOにリーチするための新規サービス開発 / 市場リサーチに5人のチームで取り組んでいます。中小企業やNPOへの個別コンサルは、採算化が難しく、事業をスケールさせていくにも限界があるので、行政・財団・投資家・銀行・大企業などのエコシステムレベルの組織を直接的なターゲットとして、彼らを通じた中小企業・NPO向けのサービスやプログラムを作っていくのが基本的な方向性です。秘密保持のため詳述は控えますが、クライアントが温めた複数のコンセプトに対して、潜在顧客・パートナー・業界専門家などへのインタビューやアンケートなどを通してマーケット調査を行い、ビジネスケースを立案するところまでが責任範囲です。このLabコースには、Social Impact業界への就職に本格的に取り組んでいる人から、好奇心ベースで受講している人まで参加の動機は様々であり、Harris(シカゴ大学公共政策大学院)からの参加者も多いので、様々なバックグラウンドの人が集まるのも特徴の一つです。業界経験の豊富なコーチ(メンター)が各チームに付き、教授と合わせてプロジェクトの進行をサポートしてくれるので、彼らのアドバイスやフィードバックが非常に有益だと感じています。(Class of 2020 J.Y.)


Accounting for Entrepreneurship

設立からIPOに至るまでのStartupの成長過程において、CFOとして必要になる知識を習得する授業です。Accountingと名がついていますが、会計よりもStartup特有の財務戦略をメインに扱います。トピックとしては、Common stockとPreferred Stockの違い、Cap tableの構築とOption poolの設定、会社形態(LLC, C-Corpなど)の違いによる税務上の長所・短所、Founder間の株式分配、役員・従業員報酬(Stock optionなど)の配分、VC・社債・IPOによる資金調達などを取り扱います。教授(Ira Weiss)はAngel投資家やソフトウェア開発企業のBoard Memberとしての実務経験もあることから、実在企業の事例などを多く交えて講義が構成されています。また、税務戦略の専門家(Taxes and Business Strategyという別講座も担当)でもあることから、Startup特有の税制優遇や会計処理などについても扱います。(Class of 2020 T.K.)

授業の履修については、今後もお伝えできればと思います。