LEADプログラム
こんにちは。新一年生、class of 2013のH.Mです。
今年はBoothへ日本人の入学はわずか二人という少し寂しい状況です。少しでも多くの方にBoothについてよく理解をしてもらい、興味を持ってもらえたらということで、まだこちらに来て間もない状況ですが、今回は、私なりに感じた「LEADプログラム」について触れたいと思います。
◆LEADプログラム
・全体概要
“Leadership is not about you, but starts with you.”
この言葉がこのプログラムのコンセプトをよく表しています。1989年に始まったこのプログラムは、現在、Booth唯一の必修となっています。9月初旬から10月末までのプログラムで、自分がどのようなタイプの人なのか、リーダーシップとは何か、といったことへの考察を深め、この観点から自分とのギャップを認識し、今後の2年間どのようなことに取り組むかを考える機会を与えてくれます。
・具体的な内容
580人近い1年生が、60人くらいのグループ、さらに7人程度の小グループに分けられます。そして、始めに、シカゴからバスで3時間程度のジェノバ湖(Wisconsin)での3日の合宿に参加し、小グループでのグループワーク(お遊び的なもので、時間制限などある制約のもと、新聞紙で橋を造ってそこにレンガがいくつ乗っかるかなんてことをやりました)、コスプレ大会(私のグループは80年代ファッションのコスプレ)などに参加し、グループでの意思決定のあり方、各自の行動についての考察、また単純に学生同士の親睦を深めます。
また、合宿の後、週1回3時間程度の講義やグループワークがあり、入学前のアンケート(自分のものもあれば職場の人にお願いしたものもあり)、周りのメンバーからのフィードバック、グループディスカッションやプレゼンをビデオで撮影して観察、などを通じて、自分自身がどのようなタイプの人間なのか(例えばFacilitator やInitiatorといったタイプ)、意見の衝突への対処の仕方についての自分のスタイル、また今後ソフトスキルとして伸ばすべきところは何か、について明確にしていきます。
・良いところ
(1) 練られたプログラム
20年以上続くこのプログラムは毎年改良に改良を重ねて今に至っているとのこと、それも納得のいく練られたカリキュラムだと感じました。上記の具体的な内容もそれぞれ目的が明確で、その順番も段階を踏んで自分についての考察を深めるのに効果的と感じました。先日、internationalの生徒何人かが集められ、このプログラムを担当しているスタッフとの昼食会がありましたが、彼らはプログラム改善のための必死に考えているんだな、というのを強く感じました。
(2) 時期
リーダーシップとは何か?という問いに答えは無いと思います。基本的に求められる素養はあるにせよ、やはり自分なりのリーダーシップ像というものを描き、日々MBAでの2年間の経験を含め実践していくことで自分を磨いていくことが必要なのではないでしょうか。こういった観点から、このプログラムは2年間のMBAプログラムの一番最初に組まれているということは、大変重要な意味を持っています。同時に、Boothではリーダーシップを発揮するための本当にたくさんの機会(学生グループや学生委員会などのポスト)が提供されています。つまり、LEADプログラムを通じて学んだことを、しっかり今後2年間で実践する仕組みができているということです。
(3) チーム
無作為に様々なバックグランドの小グループが決められています。きっと、普通にMBA生活をして、ある程度興味の近い人たちと固まっていたらきっと仲良くならなかったであろう人たちとのグループは新鮮です。私は、国籍は米国3人、オーストラリア1人、台湾1人との6人グループでした。バックグランドも、バンカー、エンジニア、NGOやNPO職員、資源開発のプロジェクト開発担当者、行政官といった感じで多様です。「なんだこいつは!?」と思うこともあったりしますが、海外MBAに来たんだなー、という実感がわいたのも事実。とても面白い経験でした。
◆終わりに
シカゴ大学MBA、といった時にどういった印象を皆さんは持っていますか?正直に言うと、私はアカデミックな観点や授業について良い印象は持っていましたが、チームワークやリーダーシップといったソフトスキルを伸ばすという観点では、シカゴ大学について大した印象を持っていなかったです。しかし、実際に来てみて、シカゴ大学MBAは、個へのリスペクト、個の力を伸ばすということに重点を置きつつ、LEADプログラムというとてもよく練られたカリキュラムから始まり、各自のソフトスキルを伸ばし、真のリーダーを養成するためのものとして、とても素晴らしいなと感じています。
サッカー日本代表も組織力だけでなく、それはあって当たり前で、その上で、今後は一人で現状を打開する個人の能力が求められているわけで、もちろん、私はサッカー日本代表を目指しているわけではないですが(笑)、不確実性の多いビジネスの世界でも同じアナロジーが存在していると思います。シカゴ大学のMBAプログラムを通じて、ソフトスキルを含めた個人の力をしっかり伸ばせるよう、今後充実した2年間をしっかり過ごして行きたいと思います。
次回、私が担当する時は、私がBoothに来た一つの理由である「アントレプログラム」について、他大学との違い、シカゴの特徴などについて触れたいと思います。