Chicago Booth Japan Club - シカゴブース 日本クラブ

View Original

Bidding pointが高い授業は?

Chicago Booth 2年生のGです。

実践を重視するMBAと言えども一応?学校なので、試験があります(プロジェクトなどで代替される授業も多いですが)。社会人を数年やっていた人間からするとmid-term exam(中間試験)、final exam(期末試験)といった言葉を聞くだけで結構新鮮ではあります。新鮮ではありますが、高校生や大学生時代と行動はあまり変わっていないらしく、exam weekに入ると無駄に時間を使う方向に走ってしまいます(当時は昔読んだ漫画や雑誌を読みなおす、今ならYouTubeに走る、等々。賛同してくれる方も多いのでは?)。冬学期には、exam前日に「Boothの授業で一番bidding priceが高い授業は何か」というexamとは全く関係ないことが急に気になってしまい、現実逃避を兼ねて少し調べた結果を掲載します。

Title                                    Professor
1 Managerial Decision Making                   Thaler, Richard
2 Entrepreneurial Finance and Private Equity          Kaplan, Steven
3 Macroeconomics                          Hurst, Erik
4 New Venture Strategy                      Schrager, James
5 Portfolio Management                       Pastor, Lubos
6 Building the New Venture                     Deutsch, Waverly
7 Entrepreneurial Finance and Private Equity          Meadow, Scott
8 Cases in Financial Management                 Rock, Kevin
9 Economic Analysis of Major Policy Issues           Becker, Gary;Murphy, Kevin;Snyder, Edward
10 Advanced Topics in Corporate Finance            Rock, Kevin
11 Financial Statement Analysis                  Smith, Abbie
12 Strategies and Processes of Negotiation          Ginzel, Linda
13 Developing New Products and Services            Middlebrooks, Arthur
14 Strategy and Structure: Markets and Organizations    Bothner, Matthew
15 Managerial Decision Making                   Hsee, Christopher
<簡略化のためphase 1のbidding priceのみを使用しました。09年の秋学期、10年の冬・春学期のデータを使っています。各学期ごとにpointの使い方に差が出る(最後の春学期は2年生が全てのpointを使おうとするためインフレしやすいなど)ので、学期ごとの平均からの乖離幅を標準偏差で計りました。実際は他にも調整すべき項目(提供される授業の数、requirementに含まれているか等)があり得るのですが、あまり調整しすぎるのもどうかと思い、学期ごとの違いのみの調整です。ということで、ご参考まで。>

トップ15の結果は上記のとおりです。いくつか特徴が見られますね。

①アントレ系が人気
これは過去投稿にもあったかもしれませんが、Booth自体がアントレ系に力を入れていることもあり、学生の人気も高いです。看板教授の一人であるKaplan教授のEntrepreneurial Finance and Private Equity、を筆頭にNew Venture Strategy、Building the New Ventureなど多くがランクインしています。実際にデータで見ても、「最近はアントレ系が人気」という表現は間違っていないようです。

②Soft Skill系も人気
Behavior Financeの権威として有名なThaler教授のManagerial Decision Makingが一位となり、同じく学生人気の高いHsee教授のDecision Makingもランクインしています。Ginzel教授のNegotiationも人気がありますね。私は入学前はFinanceやAccountingといった、いわゆるHard skillを学びたくてbusiness schoolに入ったのですが、こちらに来て米国MBAの凄みを感じたのは実はsoft skill系授業です。Organizational BehaviorやDecision Makingなどの分野に古くから取り組んできた結果が蓄積、整理されており、日本ではなかなか勉強しにくい分野に思います。

③シカゴ大学の強み?Economics系授業
少し意外だったのが、Hurst教授のMacro Economics、Becker教授、Murphy教授、そして現DeanでもあるSnyder教授のEconomic Analysis of Major Policy IssuesといったEconomics系授業が上位に入っていること。Economic Analysis of Major Policy Issuesはノーベル賞受賞者のBecker教授がBoothで教えている現在唯一の授業です。シカゴ大学は経済学で有名ですが、Boothでもこれらの有名教授の授業を取れますし、Electiveの一部として経済学部の授業を取ることも可能です。Economicsを勉強したくてMBAに行くというのは少数派かもしれませんが、この分野の充実はBoothの一つの強みと言えるような気がします。

④Finance系はあまりランクインしていませんが。。。
Finance系ではPastor教授のPortfolio Management、Corp. Fin系で人気のあるRock教授の2つの授業がランクインしています(Entrepreneurship Finance、Financial Statement Analysisも広く言えばFinanceですが)。Booth=Financeというイメージからは少し遠い結果です。 ただし、今回の結果は需給が一致するpriceを基準にしており、Finance系授業はそもそも提供されている授業の数が多いということも影響しています。基礎授業からPhD向け授業まで、2年間という制約の中ではほぼ無限と言っていいほどのFinance系授業が提供されています。結果的に、Finance志望の人は、biddingの制約がほとんどなく、取りたい授業を取れるという状況が生じており、かなりラッキーな状況にあります(中期的には需要のシフトに合わせて供給も変化する可能性はありますが、短期的に大きく供給を減ることはないでしょう)。

これからvisitされる皆様は、参加できるようなら上記の人気授業に参加するとBoothのよさをより理解していただけるのではないかと思います。また、Interviewでもこれらの授業を話題にするとinterviewerも知っている可能性が高いので、盛り上がるとともにBoothのことをよく調べているとアピールできるかもしれません。もちろん、勉強したい分野ごとに上記以外にも素晴らしい授業はいっぱいありますし、学生によっても評価は分かれる部分があるのが実態なので、あくまでもご参考程度に!